淡彩スケッチが物足りなくなった人へ!作風を変える3つの方法

淡彩画が生まれ変わる!?

 コロナ禍がなかなか収まらない。私の主たる活動である風景画のスケッチもままならない。本当に困っている。

 そこで今回は新たにスケッチに出かけることなく、「新しい」風景画作品を生み出す方法を紹介しようと思う。

私の風景画は「加藤美稲水彩画作品集→」を見てもらえればわかるように、ほとんどはペンで下描きしてから色を塗るものだ。

 ペンは鉛筆よりも線に力強さが出る。だから上に重ねる絵具は薄くても十分に絵になる。いわゆる「淡彩画」が作品のほとんどを占めていた。

 一方で最近の水彩画の主流は水をたっぷり使い、ぼかしや滲みの効果を最大限に引き出す描き方と言っていいだろう。

 そこで、今回は昔描いた何点かの「淡彩画」をファーストウォッシュとみなし、その上に最新の技術を施して、改めて仕上げをするという試みをしてみた。

 水彩紙のサイズはいずれも小さくてスケッチしやすい、F0号だ。
どれも数年前に現地でサインペンを使い、30分ほどで下書きを終え、帰ってから淡彩を施したものがベースになっている。

そのテクニックとは?

 淡彩画をベースに色を重ねる、この技法のポイントは以下の3項目である。

  1. 明るい部分には、絶対に色を重ねない。
  2. 暗い部分は思い切って濃い陰色を塗る。
  3. 中間色は当初のベース色を使い明度と彩度をさらに強調する。

以下に具体例を何点か示そう。

鞍馬寺のスケッチ

 まず反射する木の葉の部分にマスキングインクを施し、最も明るい部分を確保する。

森の奥深い部分、あるいは神社の陰部分には思い切って濃い色を塗る。当初の色調が淡いブルー系なので敢えて赤みを強くしたグレーを施している。

森はコバルトブルーとサップグリーンを混色し、グラデーションを強調して、淡彩画の時よりも立体感を出すようにしている。

近江八幡のスケッチ

 まず白壁には絶対色を重ねない。最も明るい部分を残す。
一方、空には濃いにブルーと紫を水をたっぷり使って滲ませ、白壁との対比を強調した。

 次に軒下に思い切って濃いグレーを塗る。グレー色はサップグリーン、クリムソンレーク、コバルトブルーを混色して作る。

 民家の壁や建具の茶色はこの絵の基本色だ。ただしその部分の明暗を茶色のグラデーションのみで描くと単調になってしまい、つまらない絵となる。

 そこで今回はたっぷり水を含んだバーントシェンナとウィンザーグリーンを画面上で滲ませながら描いてみた。案外いい味が出たと思っている。

参考作品

 以下の絵も同様の手法で描いている。どんな色をどのように用いたかあなたも考えてみてほしい。そして是非昔描いたあなたの絵に新たなテクニックを加えてみてほしい。

 質問や意見のある方は末尾の「コメントを残す」欄に是非意見を寄せていただきたい。



メールアドレス  *