水彩画入門 写真はこう使う!

絵を描く時に写真をどう使うか?

 とても難しい問題だと思う。以前に(顔のデッサン5つの勘違い→)の中でも写真の利用法について触れたことがある。

 最近はインターネットのおかげでフリーの顔写真がいくらでも手に入る。初心者がその写真を見て作品を制作したらどうだろう。
 私の感想を言うと、これはデッサンの訓練にはならない。

 何故なら立体を見てそれを(各自のある程度の解釈を付加して)平面に写すのがデッサンと定義するならば、最初から平面に映ったタレントの写真を見て描くことは、単なるコピーに過ぎない。

 極端なことを言うと、元の写真に碁盤の目を引き、作品にも同じ碁盤の目を引いて描き写せば、絵の技術がなくてもコピーできる。これは「デッサンの練習」にはならないだろう。初心者が絵の技術を磨くにはやはり、現実のモデルが必要だと思う。

 ただし、写真がいけないと言っているわけでは無い。すでに技術のある人が写真を元に、その各パーツや色を意図的にデフォルメしたり色調を操作して「作品」にすることはことはよくある。

 あるいは色の練習のつもりで輪郭だけをコピーするならばいいと思う。ただ完成しても、構図そのものはカメラマンのオリジナル。やはり絵描きとしてはあまり満足感が得られないのではなかろうか。

私の写真の使い方

 私は風景画も人物画も写真は大いに参考にするが、他人の撮った写真を形や色までそのまま写すことはない。

 かつてはいずれも写真は使わなかった。練習にならないからという気持ちがあったからだ。ただ人物画の場合はモデルさんを見て描けるのは、通常一回が休憩を含んで2時間程度。

 この中で人に見せられるレベルの絵を描き上げるのは、相当の早描きの人でないと難しいだろう。特に個展で作品を発表しようとすると、どうしてももう少し細部にこだわりたくなる。その時に、記憶を頼りに、光や影の具合、細部のデッサンを描き込むのはやはり無理がある。
 私はモデルさんに最後に写真を取らせていただき、帰宅後最終の仕上げをしている。

 風景画の場合は、スケッチ旅の許容時間の制限、電車や飛行機の出発時間が全てだ。
 旅先でのんびりスケッチを楽しむことが目的ならば一枚をゆっくり色まで塗りながら仕上げれば良い。

 だが、せっかく遠くまで、場合によっては海外まで来たからには、出来るだけたくさんスケッチしたい。するとペン描きが終わった段階で、写真を撮り、また次のスケッチに取りかかり、色塗り、仕上げは帰ってからというのが一番効率がいいことになる。

 もう一つ、私の場合人物画、水彩画両方に使用する写真の使い方がある。
 このブログの(加藤美稲作品集→)を見てもらえればわかると思うが、いくつかの人物画は背景にそれにふさわしい風景を入れている。

 これは架空の風景を入れているわけではない。取材旅行に行った時、後々人物画の背景になりそうなシーンを選んで撮影しているのだ。
 そしてイメージに合うモデルさんが来た時、その写真を使う。こうすれば変にインターネットの写真を参考にして著作権の問題に引っかかることもない。

水彩画と写真とコラボレーション?!

 今後は以下のような可能性を考えている。今は言わば描き残した影や材質感を確かめるためだけに写真を利用している。

 パソコンの描画ソフト、ハードの進化は著しい。撮影した写真そのものを参考にするのではなく、さらにデジタル技術で加工し、現実よりも自分のイメージに合った風景画像を作成し、それを元に水彩画を描くというやり方だ。

 この方法ならば、構図はもちろん自分が撮影したものだし、光や色の効果は現実を超える可能性があり、その加工は私の創作そのものだ。
 水彩画と写真のコラボレーションだ。いずれ取り組んでみたい。

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