クラシック音楽のすすめ

 芸術は人の心を豊かにする。これは間違い無いだろう。

 文学、読書については、以前に「創作を刺激する読書法→」で記事を書いた。今回は音楽について描こうと思う。

 私は絵はそれなりに描けるが楽器は全く弾けない。でも音楽を聴くのは好きだ。特にクラシック音楽が好きだ。逆に最近のヒット曲は全く知らない。

 クラシック音楽は大学の頃、クラシック好きな、同じ下宿に住んでいた友人の影響で聴き始めた。当時はまだCDはなく、彼はもっぱらクラシックのLPレコードを買い集めていた。

 彼のコレクションは半端では無い。確か集めたLPレコードは500枚ほどあったはずだ。当時LPレコードの値段は2000円程度だったと記憶しているが、それでも100万円を費やしていることになる。アルバイト代はほとんどそれに充てていたようだ。

 実はクラシックのLPレコード500枚を集めるのは容易では無い。先に述べたお金のことではなく、ポップスに比べると曲数が圧倒的に少ないからだ。

 ベートーベンもモーツァルトも今から新しい曲を書くことはない。だから彼らの曲が好きな人は、一枚のレコードを擦り切れるまで聴くか、指揮者とオーケストラを変えて、演奏の微妙な違いを愉しむのである。

 事実私の友人もベートーベンの交響曲だけで50枚持っていた。ご存知のようにベートーベンの交響曲は1番から9番までしかない。ということは彼は同じ曲を演奏を変え、5枚以上持っていたことになる。

 貧乏学生だった私には当初、同じ曲を何故何枚も買うのか全く理解出来なかった。
 だが夜毎に彼の部屋で酒を飲みながらクラシック音楽を聴いていると、同じ曲でも指揮者とオーケストラが違うと全く印象が違うことがわかるようになったのだ。

 例えば私が最初に聞いたベートーベンの交響曲3番「英雄」は嫌いだった。指揮者は「カール・ベーム」。演奏は天下の「ウィーン交響楽団」だった。

 「名演」と呼ばれるレコードだったらしいが、私には「退屈」だった。いわゆる玄人受けする演奏だったのだろう。それを友人にいうとすぐさま彼は指揮者「フルト・ヴェングラー」、演奏「ウィーン交響楽団」のレコードを聴かせてくれた。

 すると・・・違うのだ。私はそれ以来「英雄」は大好きな曲になった。

 同じように有名なベートーベン交響曲第5番「運命」は指揮者「カルロス・クライバー」演奏は「ウィーン交響楽団」のものが最高に好きになった。

 彼から受けた影響はとても大きく、私は社会人になってから、ステレオセットを買い、いわゆる「名演」と言われるCDを買うようになった。

 そして最初に買ったCDがあの「カルロス・クライバー」と「ウィーン交響楽団」の「運命」だったのだ。

 そしていよいよ、CDをプレーヤーにセット。耳をすませて・・・・!

 しかし・・・・?・・・おかしい。

 感動しない。

 最初はCDの音質のせいかと思った。だがそうではない。正規の音質の筈だ。そう思って、ジャケットの解説を見直す。
 すると感動しなかった理由が推測できた。指揮者も楽団も当然曲目も同じ。だが、演奏年が違っていたのだ。

 すぐにCD店に戻り、目指す本当のCDを探すと、すぐに見つかった。気がつかない私のミスだった。
 家に帰り、早速聞いてみた。

 文句なし。「これだ!」

 このCDは今でも聴く。思い出深いCDなのだ。もっとも社会人になって仕事が忙しくなると、クラシック音楽だけを聴くためだけに、数十分~1時間ステレオの前に陣取るという余裕がなくなる。

 最近は建築の仕事に追われることはなくなったが、絵を描く時間を確保しようとすると、やはりじっくりクラシック音楽を聴くことは難しい。

 今はもっぱら日曜日の朝食時にAmazonのアレクサに「クラシック音楽かけて」と呼びかけ、Boseのスピーカーで聴くことが多い。

 当然指揮者も楽団も本来の私の好みではないが、生活を豊かにしてくれることには間違いない。

 時代が変われば楽しみ方も変わる。それでいいと思っている。

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