水彩画は大好きだけど、自分で描いたことはほとんどない。でもそのうち描いてみたいと思っている。今日はそんな人にぴったりのテーマ「日曜画家」について考えたい。
目次
- 日曜画家とは?
- 日曜画家のすすめ
- 日曜画家を卒業する時
- あなたの未来は?
日曜画家とは?
私の使う電子辞書「大辞林」によれば「日曜画家」とは「日曜などの休日に、趣味として絵を描く人」とある。ここには二つの意味がある。「日曜日に必ず絵を描く」という生き方に対する敬意と「絵は売らない」という職業画家との区別である。
だから例えば水彩画を描き始めてすぐ、あるいは一年に数枚しか描かない人はどんなに才能があったとしても、「日曜画家」と名乗ることには違和感がある。キャリアがなさすぎるからだ。
一方〇〇会という絵画団体に所属しなくても個展をするたびに相当数の絵が売れる人を指して「日曜画家」と呼ぶのも同様に違和感がある。素人とは言えないからだ。
日曜画家のすすめ
だが、敢えておすすめしたい。初心者はまず「私は日曜画家です」と堂々と名乗るようにしたら良い。できれば、ブログでそれを公言し、自分の絵をアップすると、より励みになるだろう。
これをせず、何となく「暇な日曜日は水彩画を描こう」などと心で思っていてもおそらく一枚も描かないまま、一年が過ぎる。
まずは大胆に「画家」という言葉を意識しよう。でも恥ずかしくはない。頭に「日曜」とついているのだから。絵を描くモチベーションとしては最高の目標だと思うのだ。
日曜画家は何を描くべきか?
もちろん特に決まりはない。たぶん描きやすいのは「静物画」だろう。
身近な台所にある鍋や酒瓶は光の反射を描く練習として最高の素材だ。冷蔵庫の野菜は新鮮ならそのみずみずしさが、あるいは萎びていてもしぶとい生命力が感じられる。とても描きがいがあるモチーフだ。
だが仕事のない日曜日、普通ならば、多くの雑用が待ち構えている。一つ、二つと片付けているうちに気がつくともう夕方…絵など描けるはずもない。
だから私は風景画をおすすめする。日曜日は雑事は忘れて、思い切って戸外に出よう。もちろん旅ができれば最高だが、時間もお金もかかる。電車に乗って、1時間弱くらいのところがちょうどいいだろう。
何故なら、人間は楽をしたがる生き物。あまりに家から近いと、いつでも来られる気楽さで単なる散策がメインになってしまう。
その点、一時間も電車に乗ってくれば、時間もコストもかかっているので、絵を描かざるを得なくなる。
もっとも、絵が好きな人は、心配しなくても、美しい風景を見たら必ず、スケッチブックを開きたくなるはずだ。そうして描いた風景画は観光地で撮る記念写真とは全く違うものになる。
私自身そうして描いた水彩画が数百枚あるが、全ての場所と情景を記憶している。昔の写真、特にデジカメになってからは、それが何の写真か、何にために撮ったのかさえ覚えていない事が多いが、自分で絵を描くと、不思議なことにその風景が完全に自分のものになるのだ。
日曜画家を卒業する時
しかし実を言うと私の本心は、絵を描き始めた以上、皆さんに自称「日曜画家」で終わって欲しくないと思っている。
何故かというと、何百枚も絵を描き、技術がそれなりに向上したところで、プロではない、絵を売らないという意識はやはり画風に出る。
私自身かつて自分を日曜画家と呼び、その時描いていた絵を今見るととても物足りなく感じる。当然売れるようなレベルの絵ではなかったと思う。変わったのはやはり、個展で自分の絵が売れるようになってからだ。(「評価される絵を描く秘訣→」を参照)
あなたの絵が日曜画家の絵かプロの絵か。やはり厳密な定義はない。だが一枚でいい、あなたの絵が売れ、その家庭の居間に飾られたとしよう。その時あなたの絵はもはや自己満足の産物ではない。
世の人に、アートのある豊かな生活を提供できる作品になったのだと思う。もはや「日曜」画家と余計な修飾を付けて名乗る必要はないのだ。
あなたの未来は?
そうは言っても、「現実は日々忙しい!」
そんな呟きが聞こえてきそうだ。だが幸いこのブログで扱うスケッチや水彩画は油絵に比べると描きやすい。
自分の時間に合わせながら、それなりに描けるからだ。(「誰にでもできるデッサン練習方法とは→」を参照)
初心者が名乗る「日曜画家」という言葉は悪くない。絵を「観る人」ではなく、「描く人」である…「でも私はプロではない」ことを奥ゆかしくも表現している。
そんなあなたにおすすめしたい。ブログのトップページ「美緑(みりょく)空間へようこそ!→」では「アートのある生活」を実践し、提供するための情報提供の場として「美緑(みりょく)空間アートギャラリー」のメンバーを募集している。
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私は日曜画家です