私の水彩画はトップページ(「美緑(みりょく)空間へようこそ!→」を参照)に記した通り、人物画、海外の異国情緒ある風景、日本の懐かしい風景を描いたものである。
風景画を描くためには「スケッチ旅行に必要な道具とは→」「海外スケッチの旅 5つの心得→」という記事を書いている。興味のある方は参考にしてほしい。
しかし実は毎年海外にスケッチ旅に行こうと思えば当然、それなりの資金が必要だ。トップページではその秘訣を毎年20万円ほどを優先して確保するとだけ書いたが、同じ20万でも無駄を省き、工夫すればで滞在日数を伸ばすことができる。
今回は「海外スケッチに安く行く方法」について、私なりのノウハウを教えよう。
■ツァーで行くべきか個人で手配するべきか?
スケッチのことを考えれば当然自由度のある個人手配にすべきだが、値段だけを考えると、一度に大量に航空券やホテルを手配するツァーの方が安い。
ホテルによっては、早々とツァー客で予約がいっぱいになり、個人手配ではほとんど取れないところもある。
実は私が初めてイタリアに行った時、不慣れだったこともありツァーを利用した。旅行会社は「ユーロウォーカー」(http://eurowalker.jp/)だった。
ローマ、フィレンツェ、ベネチア各2泊、往復の航空運賃はもちろん各都市への移動列車料金、宿泊料金も全て込みで約20万円だったと思っている。
それもお盆休みを含む高目の料金設定のコースだったと思う。自分で手配するとこうは安くならなかったと思う。ただし、現地のガイドも送迎も一切なしのフリープランだ。
英語が苦手で移動が不安という方には、ちょっと敷居が高いかもしれない。それらの諸事情を知った上でならば、全行程フリーのツァーが一番お得だろう。
ただし2度目からは、あるいは描きたい場所が先に決まっている場合には、いかにフリープランとは言え、発着空港と宿泊日数が決まっているツァーは、絵描きとして動くには不便だ。やはり自分で全てを手配することになる。
■飛行機のチケットはどうやって取る?
私は一時ANAのマイレージカードを使って飛行機を予約していた。日常の買い物を全てクレジットカードで支払い、マイレージに替えるのだ。これを実践している人は結構多いだろう。
マイレージが貯まって時々ビジネスクラスで旅をしたなどという話を聞くと、憧れてしまうかもしれない。
だが私自身は、一応 マイル加算用に各航空グループにのマイレージナンバーは持っているが、クレジットカードで加算することは一切やめてしまった。
何故なら、たとえマイレージが貯まってもANAやJALはそもそもの航空運賃が高いことと、選べる便がいわゆる不人気な時間帯のものが多く、旅先で絵を描く時間が有効に確保できないことが多かったからだ。
しかもANAの場合、一定の比率以上はマイレージが使えないシステムになっているため、結局支払う現金は安い航空会社の方が安かったりする。
私は今のところヨーロッパ方面にスケッチに行くことが多いので、一時はKLM、エールフランスのホームページから直接予約を取っていた。値段も早割ならばANAやJALなどより遥かに安い。
ただこの航空会社は必ず、アムステルダム、パリのどちらかで乗り継ぐことになる。だからたとえば北欧に行こうとすると、ずいぶん無駄な航路を取ることになり、結局高くつく。
というわけで今の私の1番のお勧めは「グーグルフライト」で飛行機を探すことだ。(https://www.google.com/flights/)
検索ボタンに行きと帰りの日付と都市をインプットするだけ。ずらりと安いチケットが並ぶ。グーグルが直接買うわけではない。安いチケット会社へのリンクが張ってあるだけだ。ただしその情報は確実で新しい。
以前、グーグルフライトで見つけた便を直接その航空会社のホームで予約しようとしたらすでに売り切れだったという経験がある。
見つけて、これだと思ったら、すぐに予約する方がいい。ただしこの手のチケットはキャンセルできない(原則カード支払いで、キャンセルすると戻ってこないだけでなく、さらにキャンセル料取られる)ことが多い。
事前に十分旅程を練っておくことが大前提だ。
また同じような機能に「スカイスキャナー」というサイトがある。両方使ってみたが、私が試した時はスカイスキャナーよりも安いチケットがグーグルで入手できたことがある。さすがにグーグルだ。
■ホテルはどうやって取る?
以前は国内は楽天、国外はブッキングコムとエクスペディアで取っていた。ただいずれも都市によって得意、不得意がありそうで、必ずしも安くは無かった経験がある。
だから最近はやはり比較サイトである「トリバゴ」の検索アプリをiPadにダウンロードして使っている。
ただ私の妻に言わせると、ブッキングコムやエクスペディアの会員になるとトリバゴのホテルよりも安いのだという。全部の会員になっておいて全てを比較するのが完全だろうが、後は検索時間との兼ね合いだろう。
■移動費用を安く上げるには?
スーツケースを引きずって動くヨーロッパの都市間移動は高速鉄道か飛行機になる。
まず鉄道は「レイルヨーロッパ」の日本語ホームページから早割予約すると、現地で買うよりもはるかに安くなる。ただし、このサイトは完全日本語で使いやすいが、実は高い。おそらく手数料の差なのだろう。
私はドイツ、スペイン、イタリアなど、いずれも各国のホームページで直接予約した。どの国のホームページも日本語には対応していないが、一応英語に切り替えられるので、なんとかなった。
基本はクレジットカード、あるいはペイパルで支払える。各国内の列車は現地で買うしかないが、ドイツは数日間乗り放題の切符があり、毎日スケッチして回るのにとても便利だった記憶がある。
もう一つの手は格安航空を使うことだ。時間さえ合えば、列車よりも安いかもしれない。これもグーグルフライトで探せる。ただし、格安航空は使いやすい時間帯は相当早く予約しないと、入手できない。
それと、持ち込めるのは手荷物だけでスーツケースを運ぶには別料金が必要だ。事前にテェックしておく必要がある。
■最後に
知り合いの画家の中には、旅しながら現地で稼ぐ人もいる。
中には今まで描いたこともないくせに、日本人であることを利用して「墨絵」を外人に教えて、生活費を稼いだなどという猛者もいる。
いずれ私も現地で水彩画を描き、旅費の足しにすることにチャレンジしたいと思ってはいるが、(精神的に)まだその域に至っていない。
最近はインターネットを使いこなせる人が、得をする時代だ。私のような年配の人(自分ではそんな意識は無いけれど)、定年退職後絵描きになろうとしている人は、特にその意識を持つことが重要だ。
今からでも遅くない。上手にお金を使って、いいスケッチ旅に出かけよう。
P.S.
旅先でのスケッチを水彩画に仕上げるにあたり、ちょっとしたコツをまとめてみた。参考にしてほしい。
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[…] p.p.s.このブログでは文中にリンクを張ったほかにも以下のような関連記事を書いている。興味ある人は参考にしてほしい。■カテゴリ「スケッチの旅海外編→」■「海外スケッチ旅、安く行く方法は?→」■「ペンと水彩で描くミラノ大聖堂 その制作プロセスを公開!→」 […]
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