レンブラントの水彩用オーバル筆を使ってみた!

ターレンス・ジャパンのホームページより レンブラント オーバル筆

 水彩画に使用する筆の基本的な選び方については、すでに別な記事で書いた(「水彩画入門!弘法は筆を選ぶ?→」を参照)。今回は高級筆と言われるレンブラントの水彩画用のオーバル筆を使ってみたので、その使用感を報告する。

オーバル筆とは

 まず「オーバル筆」について説明しよう。基本の使い勝手は丸筆と平筆の中間、両方の良さを備えているものだ。と言っても先端が楕円形になった平丸筆とは全く違うものだ。

 断面形状は平筆だが先端はフラットでなく緩やか曲線を描きながらも尖っている。別名でもある「猫の舌型」と言えばよりわかりやすいだろう。
 私が使っている大きさは2号。数字だけをみると小さそうに見えるが、穂先の長さは上図のように25mm以上ある。

具体的な使用感は?

 私は今20号の絵を描いているがほとんどこの筆一本で描いている。平筆として使えば太筆に近く、横に走らせると細筆の味も出る。それほど使い勝手が良いということだ。

 材質はリス毛(スクワラルという)100%でとてもしなやかだ。そして何より驚いたのは、水(絵具)の含みが抜群に良いことだ。長年色々な水彩筆を試してきたが、こんなに含みの良い筆は初めてだ。この点についてはコリンスキーセーブルより上だと思う。

 大きめの絵を描いていると、絵具の含みが悪い筆はすぐに絵具あるいは水を補給し直す必要がある。
 すると当然ながら、水を足せば急に色が薄くなり、絵具を足せば色が濃くなる。つまり広い面に安定した色彩で塗ることができないのだ。

 その点このレンブラントのオーバル筆は20号の背景の草原を強弱をつけながら端から端まで塗ってみみたが、途中で絵具を補充する必要がほとんど無かった。
 人物画の細密描写においても、大いに威力を発揮する。肌の基本色は平筆のように一気に、均等に塗れる。

 一方で目や口元など細かな筆使いがいる部分は先端の尖った部分だけで描ける。今までは人物の細かな部分は0号のセーブル筆を使っていたが、このレンブラント筆を使い始めてからは、まつ毛を描く時くらいしか出番は無くなってしまった。

こんな使い方もある!

 皆さんは人物の髪の毛を描く時どんな筆を使っているだろうか?私は今までは平筆を使っていた。広く塗るときはたっぷり水を含ませて塗り、髪の毛先端部分は水気を切ってぼかすようにしていた。

 だがこの書き方は平筆の先端形状の直線がどうしても画面に残ってしまう。そこで髪の毛の先端部分はやはり0号のセーブル筆を使っていた。
 だが0号の筆は絵具の含みが少ないので、長い髪が一気に描けない。

 今回、髪を描くときのこの悩みをこのレンブラント・オーバル筆が解決してくれることがわかった。
 まず髪の塊を描くときは当然、筆の根元の平筆で一気に塗ることができる。素晴らしいのはそのまま長い髪の先端まで描画できることだ。

 何故ならまず絵具の含みがいいので、途中でパレットに筆を戻す必要がない。さらに髪の毛が細い塊になり始めたら、筆を斜めにひねる。そうすると描画する幅が狭くなる、髪の流れに沿ってそのまま描き、髪の先端は筆を横にして描けば極細の線でフィニッシュできるという訳だ。

 私の人物画作法は先に鉛筆で明暗を描きその上に透明水彩を施すやり方だ。(「素描をデッサンだけで終わらせない!私の人物画作法とは→」を参照)
 だから筆の毛先が硬いと、絵具を塗ったときに鉛筆の粉を拾って色が濁る時がある。この筆は毛がとても柔らかいのでそんな心配をする必要も全く無い。
 まさに私に取っては完璧な筆と言っていいだろう。

欠点は?

 最後にひとつだけ、欠点を挙げておくとすれば腰が柔らかすぎることだろうか。つまりこの筆は手の角度、強さに合わせて自在にしなってくれるが、復原力はその分弱い。元の筆の形に戻したければパレットに戻り先端形状を整えてやる必要があるのだ。

 私はあまり使わないが、強弱をつけた勢いのある線が好きな人にはやや不満かもしれない。
 そうは言っても、上に列挙した多くの長所はまったく文句なし。私と同じような筆使いを目指す方、是非この筆を試してみて欲しい。

 値段は一本2,000円程度だったと思う。安くは無いがこの筆一本だけで、ほとんどの絵が描けてしまうことを考えるとコストパフォーマンスも抜群だと思っている。

P.S.
今回の話題は「筆」であるが、関連記事を以下の様にまとめてみた。興味のある人は参考にしてほしい。

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■水彩画の道具について

■水彩画の基礎について



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4件のコメント

[…]  やはりピンからキリまであるが、サムホール程度の大きさの絵ならば6号コリンスキーまたはセーブル(いずれもその毛が取れる動物の名前)の丸筆がいい。普通の文房具店で売っている化学繊維の筆とは柔らかさ、弾力性、水分の含み具合、毛先の揃い具合など雲泥の差だ。たとえ初心者であっても、「弘法は筆を選ぶ」というプロの格言は正しいのだ。 また色の濃い部分をエッジをきかせて塗ったり、均質に広い部分を塗るために平筆も必要だ。大きさは4号の小さめと8号の大きめの2種類準備するといいだろう。さらに私の場合は細かい部分を描くための0号、やはりコリンスキーの丸筆も愛用している。(筆の詳しい話はこちら→)なお最近レンブラントのリス毛のオーバル筆を試したところコリンスキーの負けず劣らずいいということが分かった。(詳細はこちら→)こちらも試してみるといいだろう。 […]

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