5.スケッチの旅 海外編

ラインの古城を描くのは大変!?

ラインシュタイン城  グリム童話に現れる魔法の城のよう

「城」は絵描きにとって魅力的なテーマだ。

 ある意味、その国の歴史の決定的瞬間を知っているからだ。中でもドイツ、ライン川沿の古城の魅力は格別だ。ただここを効率的にスケッチするのにはちょっとした事前知識がいる。今回はそのノウハウをお伝えする。
 インターネットで調べてみると、ライン河沿いの古城はいくつもの小さな町、村に分かれている。普通の観光コースはいわゆるライン下りの船から外観を駆け足で見るというもの。そして時間とお金に余裕のある人は古城ホテルに泊まり、古城レストランで食事をするというコースだ。

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ロマンティック街道の町ヴュルツブルクを描く!

ドイツで古城の絵を描こうと思えば「ロマンチック街道」は外せない。

 ヴュルツブルクはその北の起点になる街だ。人口15万人ほどの中核都市でガイドブックの扱いも高い人気の町だ。
 しかし実はこの町、空港のあるフランクフルトから列車で1時間とちょっとで行けてしまう。つまりここで宿泊するのは、スケッチ旅行のスケジュール上は賢いやり方でない。フランクフルトから日帰りとするか、他の都市への移動途中で立ち寄る方が時間的に無駄がないだろう。
 私の場合は、ラインの古城を描いた後、ロマンチック街道と古城街道が出会う町、ローテンブルクへ向かう計画だったが、その途中でこの町に立ち寄ることとした。

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スペインをスケッチする マドリード編

スペインはヨーロッパでイタリアに次いで世界遺産の多い国。

マドリードの夜 食事もそこそこに・・・

 歴史的な建造物も多く、スケッチ旅行先としては文句なし。まずは関空から首都マドリードへ向かった。
 しかし今回のスケッチ旅行も実はトラブル続きだった。
まず到着早々、空港からマドリードまでタクシーに乗ったが英語が全く通じない。しかもわざと遠回りをされたらしく、時間も料金もガイドブックに記載された数値の5割り増しぐらい。

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スペインをスケッチする。 グラナダ編

 世界遺産の宝庫、スペイン。最初に訪れた首都マドリードは残念ながら、描きたいと思う風景はあまりなかった。だが次の町

グラナダは期待に違わぬ魅力的な町だった。

 スケッチどころをご紹介しよう。まずグラナダの町を俯瞰する。それほど大きな町ではない。見どころはだいたい3km四方に収まる。
 だからスケッチブックを持っての移動も全て徒歩だ。マドリードから来る列車が到着するグラナダ駅は町の北西端にあり、有名なアルハンブラ宮殿は南東端にある。ホテルが密集する町の中心はその中間にあると考えればいいだろう。

 さて私がグラナダに到着したのは午後。今からアルハンブラ宮殿に行っても、内部を見学するだけで終わってしまい、スケッチする時間は取れないと考え、その日はアルハンブラ宮殿の全景を見られるという丘の上にあるサン・ニコラス広場へ向かった。
 地図で見る限りは、チェックインしたホテルから直線距離で1kmほど。だがこのあたりはアルバイシンと呼ばれる、住宅が入り組んだ地区で、道は曲りくねり、地図など全く役に立たない。時間に余裕を持って出かけよう。
 ただこのあたりの建物は赤瓦の屋根、白い外壁、石畳のコントラストが美しい。そして

高低差のある道と建物が切り取る青い空はアルバイシンの美しさそのものだ。

 時間があればこの空をゆっくりスケッチしたいところだ。ちなみにこのアルバイシンもアルハンブラ宮殿と並んで世界遺産に選定されている。
 さて結局ホテルから1時間ほど歩いてサン・ニコラス広場にたどり着いた。

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スペインをスケッチする セビリアとコルドバ

スケッチ旅行は欲張ってはいけない!

 スペインの旅を計画する時、一番悩んだのはセビリアとコルドバの旅程だった。時間とお金の制約の中でいかに効率的にスケッチするか。全ては事前の計画にかかっている。必死に時刻表と地図を調べ、少しでも多くの風景、建物を描く・・・。しかし結果的にこの時の私の計画は最悪だった。

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スペインをスケッチする。トレド編。

エル・グレコ 「トレドの風景」

 数年前、同じ建築設計の仕事をしていた後輩から、「新婚旅行でスペインに行きます。いない間よろしくお願いします。」と報告を受けた。
「いいね。それでどこへ行くの?」
「マドリード、バルセロナ、セビリア・・・です。」
「えっ、トレドは行かないの?」
「もし、1日しかスペインにいられないなら、迷わずトレドへ行け。という格言があるでしょ。」
 軽い気持ちで呟いたのだが、彼は急遽、旅行先にトレドを組み込むため、飛行機の時間変更やお嫁さんとの意見調整やら大変だったらしい。

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海外スケッチの旅 5つの心得

 仕事に追われる日常を離れ、思い切って海外スケッチ旅に出かけよう。そんな人のために、私の経験から学んだ5つの心得をお伝えしよう。  

その1 安くても団体旅行で絵は描けない

 忙しい。旅行の計画なんてしていられない。この際旅行会社の格安ツアーで・・・決めたくなるが、ちょっと待って欲しい。旅先で気持ちよく絵を描いているところで、昼食、夕食の時間、移動の集合時間が来てしまったらどうする?スケッチブックを閉じて、集合場所へ一目散・・・では、きっといい絵は描けない。
 団体旅行は一般観光客向けに作られたスケジュール。メインは食事と土産と数多く名所を見ることだ。同じ場所に2時間もじっと座っていることなど考えくれてはいない。
 芸術家は気ままな生き物。旅行に行ったらあなたもきっとそうなる。ここで絵を描きたい、と思ったら納得いくまでその場を離れられないのだ。
 もちろん自分一人でも最低限の移動スケジュールは立てなければいけない。でも事前にこの都市で何枚、あの都市で何枚と大体の予定を立てておけば、それほどストレスは感じない。なにより一人で自由に好きなだけ時間を使えるのだ。

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ウィーンで待っていた大失敗とは

ウィーン王宮

2014年夏。 長年の夢だったオーストリアの首都ウィーンを訪れた。

 イタリアについで二度目のヨーロッパだ。イタリアはローマ帝国以来の文化歴史で別格として 二度目が何故ウィーンなのか。 普通の日本人なら(芸術に興味のある人にとっては)たぶん花の都フランス、パリだろう。
 しかし私はちょっと天邪鬼。パリは現代のおしゃれの文化のイメージが強く、ちょっと新しすぎるのでパス。ローマ時代とルネサンスの文化はすでに見た。しかし個人的見解で言わせてもらうとこれらの文化は少し質素、禁欲的なところがある。だから次にスケッチするのはルネサンスの少し後、華麗で自由なヨーロッパ王侯貴族の文化が残る町ウィーンへ行くと決めていたのだ。

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チェコ プラハをスケッチする

スケッチの旅、今はウィーンからプラハに向かう列車の中だ。

 いかにオプティミストの私とは言え、外国で財布もカードなくすという致命的な失敗を犯すと、またなにかトラブルが起きるのではという不安にかられる。
 プラハの地下鉄の駅に着いたのは夜の9時半。地図で見る限りホテルまで歩いて5,6分のはず。あと少し。「今日は無事終わった・・・。」
と安心しかけたのは、やはり早計だった。

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イタリアをスケッチする ローマ編

 2013年夏。ついに憧れのイタリアにやって来た。絵描きになることを目指し、「人」と「建物」をテーマに絵を描くと決めたのだが、本場イタリアの建築をこの目で見ていないことに実は引け目を感じていた。古典建築をスケッチする喜びをじっくりお伝えしよう。

絵描きになることを目指し、「人」と「建物」をテーマに絵を描くと決めたのだが、本場イタリアの建築をこの目で見ていないことに実は引け目を感じていた。古典建築をスケッチする喜びをじっくりお伝えしよう。

共和国広場

とても休んでなんかいられない

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