イタリア

ペンと水彩による風景ミラノ大聖堂の描き方

 私の絵描き活動の一つである海外スケッチ旅、今日のテーマはあの有名なミラノ大聖堂だ。

 最初にイタリアを訪れたときは旅程の都合でミラノには行けなかった。だから2度目のイタリア旅行ではまずミラノのホテルを押さえた。そしてもちろん有名なミラノ大聖堂を真っ先にスケッチしようと決めていた。今回はその制作プロセスを解説しよう。

目次

1.ミラノ大聖堂の歴史をチェック!

2.ミラノ大聖堂の外観の特徴とは?

3.ミラノ大聖堂の作画計画を練ろう! 

4.まずはペン描き!

5.下塗りはどうする?

6.グリザイユで影を描こう!

7.建物の固有色を塗っていこう!

8.仕上げ!

続きを読む

フィレンツェ その人気の秘密は?

 スケッチ好きな皆さんへ。
毎年公表される、世界の「大富豪に人気のある都市」ランキングのトップはどこか、ご存知だろうか?

 私が目にした新聞記事によれば、毎年、京都とイタリアのフィレンツェが争うのだという。

続きを読む

ベルガモ一人旅 切り取られた歴史の風景

コッレオーニ礼拝堂

 今回のスケッチ旅。行き先はイタリアのベルガモ。中世の建物が残る、とても小さな町だ。ミラノから鉄道で1時間ほど、ベルガモ駅で降りる。
 ヨーロッパでの旅は鉄道を使っているうちはそれほど気を使わない。事前に発車、到着時刻もわかるし、駅の表示にはほぼ英語が併記してあるからだ。
 だからここまでは順調。問題はこの先、目指す丘の上の「チッタ・アルタ」と呼ばれる旧市街までの道のりだ。

 ガイドブックによれば、チッタアルタの麓のロープウェイ乗り場まではバスで行くという。チケット売り場は鉄道駅のすぐ近くで見つかった。幸い切符売りの婦人も英語が通じた。
 だが売り場前のバス停で待つが、いつまでたってもお目当のバスは来ない。バス停の表示は全てイタリア語だから、どのバスがどこへいくかなどと言う細かな情報は全く読み取れない。

 たまらず売り場に戻ってバス停の位置を聞くと、
「Go to left!」
どうやらバス停の場所を間違えていたようだ。本当に田舎の一人旅は気を使うことばかりだ。

 そんなロスはあったものの、なんとかロープウェイに乗り、丘の上のチッタ・アルタに到着。
 ここは中世の頃は城塞都市。事前の情報によるとその全貌が望める場所があると言う。そこへいくにはさらにロープウェイに乗らねばならない。まずはこの街の一番上高いところから町を見る。そこから見るチッタ・アルタはさながら天空の城のようだ。

 当然、ここでまずスケッチしようと考えた。だがこれだと思う構図は展望台には見つからず、散々歩き回った末、どこかの民家の玄関先の塀の上にスケッチブックを置いて描くことにした。幸い、家の人から注意されることもなくスケッチを終えた。

 さて、せっかく来た中世の町。少しゆっくり古い町並みを楽しもうと再びロープウェイに乗り、街に戻った。
 見所はコッレオーニ礼拝堂。ルネサンス時代の建築のようだ。正面も素晴らしい。対面する建物の2階から見た姿も美しい。このスケッチは別の記事で取り上げた。見てほしい。

 だが私が見つけた一番のシーンが冒頭に掲げた写真だ。起伏に沿って折れ曲がる通路沿いのアーチで切り取られた姿だ。
 いつも思う。ヨーロッパの町は建物で切り取られた縦長の構図がよく似合う。まさにこれもその一つだ。

路地の風景

 歩いていると、また一つそんな風景に出会った。軒先を飾る庇の濃い陰は明るい空を角度をつけてシャープに切り取る。広角レンズで無理やり建物を収めると、天空に向かう中世の建築が私の視界を埋め尽くす。圧巻だ。

 同じ中世の風景でも日本の、水郷で囲まれた藁葺き屋根の穏やかな集落風景となんと違うことか。

 民族の文化の差は建築と都市に現れるという。まさに真実だ。

 実は私は旅先でこのような「切り取られた風景」の写真をよく撮る。理由は前景と遠景両方を画面に収めることで、その土地の文化の特徴がよくわかるからだ。
 だが実を言うと、この構図はあまりスケッチしていない。何故なら近景部分が遠景と比較するとあまりに拡大図になりすぎて、絵のバランスが崩れるような気がするからだ。

 そうは言っても魅力的な構図であることは間違いない。新たなテクニックが身についたらいずれ絵にしたいと思っている。

P.S.スケッチ旅の記事を下記のカテゴリにまとめている。興味ある方は覗いてほしい。
スケッチの旅海外編はこちら
スケッチの旅日本編はこちら→

ペンと水彩で描く古都シエナ

 イタリアの古都シエナはフィレンツェから電車で1時間ほどの距離にある。フィレンツェほど大きくはないが町全体が中世の姿をそっくりそのまま留めている。

続きを読む

水彩紙が風邪をひいた!どうする?ベルガモのスケッチより

 それはイタリアで描いた一枚のスケッチだった

 二度目のイタリアスケッチ旅でのことだった。いつものようにいつも使っていたラングトンの0号スケッチブックをスーツケースに入れた。

 冒頭の絵はそのスケッチブックでベルガモの寺院を描いたものだ。実はその年は帰国後すぐ個展の準備をしなければならず、このスケッチは着彩しないまま本棚で眠っていた。

続きを読む

ローマを描く!バロック教会にチャレンジ

 私が初めてイタリア、ローマを訪れた時の感動はいまも忘れ難い。旅先で絵を描くことの幸せをしみじみと味わうことを覚えたのもその時(詳細記事はこちら→)である。
 朝から晩までスケッチをし、充実した旅であったことは間違いないのだが、一点だけ悔いが残っていた。それが冒頭の写真、ボロミーニのサン・カッロ・アッレ・クアトロ・フォンターネ聖堂をスケッチできなかったことだ。
 写真はホワイトバランスを調整し、建物のディテールを見やすくしてあるが、頂部だけが反射していることで分かるように、到着した時刻は日暮れ直前で絵を描ける状態ではなかったのだ。
 泣く泣く翌日次の都市に向かったのだが、3年後再びイタリアに旅し、この絵を描くためにローマにもどってきたというわけだ。

続きを読む

イタリアをスケッチする ローマ編

 2013年夏。ついに憧れのイタリアにやって来た。絵描きになることを目指し、「人」と「建物」をテーマに絵を描くと決めたのだが、本場イタリアの建築をこの目で見ていないことに実は引け目を感じていた。古典建築をスケッチする喜びをじっくりお伝えしよう。

絵描きになることを目指し、「人」と「建物」をテーマに絵を描くと決めたのだが、本場イタリアの建築をこの目で見ていないことに実は引け目を感じていた。古典建築をスケッチする喜びをじっくりお伝えしよう。

共和国広場

とても休んでなんかいられない

続きを読む

イタリアをスケッチする フィレンツェ編

フィレンツェの町並み 画材店休業!

ローマでスケッチ用のペンを落としてしまった私。ペンが無ければ絵は描けない。その日の夜遅くフィレンツェのホテルに到着すると、インターネットで早速市内の「画材店」を検索した。さすがに芸術の都フィレンツェ。数件の画材店がヒットした。ちょっと安心し、その日は眠りにつくことに。

翌朝食事を済ませると、まっすぐに画材店へ。けれど運命の女神は私を見放しているようだ。

続きを読む

イタリアをスケッチする ヴェネツィア編

 フィレンツェからユーロスターに乗りヴェネツィアへ。昼間は動き回り移動は夕方にというのが旅の定石だが、イタリアでは真昼の移動も悪くない。車窓に流れるのどかな緑一色の田園風景を楽しめるからだ。
  旅の達人なら、押し寄せる眠気を気にせず、そのまま白昼夢を楽しむだろう。だが私は初めてヨーロッパを訪れた初心者。 車内アナウンス が駅名を告げるたびにびくびくし、緊張するうちに目的地になんとか到着した。
 この日予約したホテルは、ヴェネツィア本島ではなく、手前の駅メストレ。
チェックインを済ませ、再び列車に乗り、海を渡りサンタルチア駅に到着したのは午後3時過ぎだった。

サン・ジェレミア教会
続きを読む