滋賀県

近江八幡の風景を描く

 私の住む関西は、京都、大阪、奈良、神戸いずれも電車で30分程度で行き来でき、しかもそれぞれの町に独特の個性があるという意味では、スケッチ好きの人にとって、東京近郊に住むよりはるかに面白いと言える。

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昭和のデザイン発見!長浜の歴史建築

 滋賀県長浜市。豊臣秀吉が初めて城持ち大名になった町として有名だ。当時は「今浜」と呼んでいた。北国街道と琵琶湖の水運を担う交通の要所だけあって、その後も大いに栄えた町である。
 最近は古い建物のデザインを復活、再建した「黒壁スクエア」が有名だ。
JRの東海道線の新快速がこの長浜に停車してくれることもあり、今も交通の便がよい。観光客は年間700万人を超えるという。

 私も過去に2度ほど訪れたことがある。一度目は大学の建築学科の同窓会の時。あまり時間もなかったのでその黒壁スクエアが面する北国街道を歩いた。長浜は国の選定する重要伝統的建造物群ではない。けれどもこの街道沿いにある浄琳寺を中心とする町並みはとてもいい。特に太鼓櫓が絵を描く上ではいいアクセントになっている。上はその時に路上で立ったまま描いたもの。右下に2005/11/12とある。もう15年ほど前のスケッチだ。懐かしい。なお私の最近の作品はこのブログ(詳細はこちら→)で紹介している。是非見て欲しい。

 2度目はつい最近、妻の要請で「食べ歩き」がメインだった。ガイドブックによれば最近は食べ物でも有名な店が多いらしい。実際私が訪れたときも、店の前で数十メートルの順番待ちをする人達を見かけた。興味のある方は長浜市の観光サイトへどうぞ。
 さてその2度目に行ったとき、とても面白い建物群を発見した。といっても建物デザインそのものがそれほど珍しいというわけではない。平入2階建て。窓には木製の縦格子という典型的な日本の町屋スタイル。 おそらく長浜別院大通寺の門前町としての一種の商店街だろう。
面白いのは懐かしい「店構え」だ。昭和の雰囲気がそのまま残っている。


 まず「ライオン歯磨き代理店」。字体も大正時代か昭和初期を思わせる。2階に掲げた大きな看板の字体も統一されている。
 だがどれも単なる外観の保存ではない。入口横にある「手作りオーデコロン」の看板は現代的な可愛らしい字体だ。添加物のない、健康志向の製品を売る現代的な化粧品、日用品の店としてとして営業しているのだろう。

 次に並ぶのは「時計店」。こちらの看板も味がある。もちろん外観だけではない。ちゃんと時計を売っている。しかも昔懐かしいデザインのままの柱時計もある。

 そのお隣には「油屋」。ショーウインドには「はかり売り用油壺」の展示がしてある。説明書きによれば今なお使用しているとのことだ。
 当然、看板のデザインも抜群にすばらしい。炎のゆらめきをイメージした(?)字体もすばらしい。

 最後に「合鍵」の店。さすがに合鍵だけでは商売は成り立たないのだろう。店先には鍋やざるなど日用品が並ぶ。
 でもその並べ方が実に心憎い。すぐにでも店先で客と主人との会話が始まりそうだ。

 長々とこんなコメントを描いたのは、最近の保存された町並みに不満を感じているからだ。外観だけそれらしく整えて、中身は観光客相手のレストランやみやげ物店に変身してしまう建物が多すぎる。
 トップページにも書いたように私は自然な人の営みが感じられる風景画を描きたいのだ。
ちゃんと人が住んでいる懐かしい町を歩く・・・ここ長浜で素敵な体験をした。

彦根の魅力・・・河原町の商家群と3つの近代建築

滋賀県彦根市にやって来た。いうまでもなく国宝彦根城が有名だ。でも実は絵描きにとってもうひとつ魅力的な場所がある。それが河原町の商家群だ。JR彦根駅から歩いてゆけるアクセスのよさは時間が限られる旅先の絵描きにはありがたい。やはり国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されているのだが、選定年が平成28年と新しく、つい最近まで私もこの町のことを知らなかったのだ。

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近江商人を育んだ町とは・・・

 この日訪れたのは滋賀県東近江市五個荘金堂町。1998年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。私がスケッチした22番目の保存地区の町でもある。
 この町は有名な近江商人発祥の地といわれている。江戸時代の商家豪邸と富農の民家がならぶさまはまさにその文化と歴史を教えてくれる。
 家屋が並ぶ道沿には生活用水として利用されている水路が流れ他の町並みとは一味違う風情を与えている。

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