近江八幡の風景を描く

 私の住む関西は、京都、大阪、奈良、神戸いずれも電車で30分程度で行き来でき、しかもそれぞれの町に独特の個性があるという意味では、スケッチ好きの人にとって、東京近郊に住むよりはるかに面白いと言える。

 だが同じ関西にあっても滋賀県はやや趣が異なる。もちろん琵琶湖と言う水資源はあるのだが、いいも悪いもそれが全てという面がある。  地図を見れば分かるように何しろ県の半分近く、ど真ん中に琵琶湖があるのだから、人口密度が低い。すなわち、商業的には基本的に不利な条件を抱えていることになる。   だから、本来JRの東海道線は日本の大動脈なのだが、滋賀県に入るととたんにどの駅の周りも寂しくなり、観光的にも京都、大阪、奈良、神戸に比べぱっとしない印象があるのだ。

このブログの「ここが描きたい日本の風景!」で取り上げた滋賀県の風景は「長浜」大津市坂本」「彦根市河原町」「東近江市五箇荘金堂」だが、いずれも〇または△で(私の勝手な評価ではあるが)◎つけるには至っていない。 そんな滋賀県で私が文句なく◎をつける町、スケッチするなら絶対に訪れてほしいと皆さんにお薦めするのが、今回取り上げる近江八幡市だ。

この町の見所は二つある。 一つめは重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている八幡堀沿い、および新町通りの町並みだ。
八幡堀通りは川沿いに並ぶ蔵や商家、船着場など江戸時代そのままの町並みが素晴らしい。
 冒頭に掲げた絵はクロッキー帳にペン描きでスケッチし、パソコン、フォトショップで着色したものだ。下書きもしない、クロッキー作品なので時間はほとんどかかっていないが、それなりに風景画として意図は表現できる。
 この描き方に 興味のある方は「パソコンで描く水彩風イラスト」(詳細はこちら→)を参考にしてほしい。

 新町通りの町並みは軒を揃えた端正な平入の商家が並ぶ。特徴は塀の内側、道路に面する庭に「見越しの松」が植えてあることだ。
 これはかつて私が読んだ歴史小説(柴田錬三郎だったと思うが)によれば、豪商が囲った妾が住む家の代名詞だそうだ。
 壁に囲まれた屋敷の中だけで生きている人が世の動向を見失わないようにとの願いを塀の外に伸びた松の枝に託す様式だと言われれば、なるほどと納得できるだろう。

もう一つは国指定の「重要文化的景観」第一号に選定された「近江八幡の水郷」だ。 今でも水郷巡りの小舟が行き交う「西の湖」付近の田園を歩いて見た。都会に慣れた足裏に畦道の土の感触が心地よい。
 長閑な水郷とアシの風景を眺めて歩いていると、いつしか水路に行手を阻まれ、橋を求めてまた歩く。季節は晩夏の頃、照りつける太陽の下でかく汗も気持ちのいいものだ。
 水郷は八幡堀まで続く。橋を渡り、八幡宮からロープウェイで八幡山の山頂に行ける。 そこから眺める近江八幡の眺めが素晴らしい。見事な「水と緑のパッチワーク!」だ。

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