絵描きのための英会話勉強法とは 

英単語を知っていても早い会話にはついてゆけない!?

 「究極英単語」と最低限の努力でそれなりに英単語が聞けるようになった(「初めての海外スケッチ旅 英単語さえ知っていれば何とかなる!?→」を参照)私は、相変わらず英語に苦手意識があるものの、もはや初めてのソウルにスケッチに出かけた時のような苦労はしなくなった。

 スケッチ旅(「スケッチの旅 海外編→」を参照)では、絵を描いている時は特に英会話は要らない。

 でも町中で人に道を聞いたり、食事の相談をホテルの人にしようと思うと、やはりそれなりの「会話」が必要だ。
 しかし現地の人と話をしようとすると会話のスピードは恐ろしく速く、とてもついていけないことを実感した。

  残念ながら「究極英単語」は初心者用だけあって全般的にスピードが遅く、早さを調整する機能もないのだ。なんとか早い会話についていく方法はないかといろいろ調べていると、とある英会話教本に会話のスピードに慣れるためには「とにかく大量に聞くこと」書いてあった。そこでスマホアプリ「English radio」をダウンロードし、世界標準のスピードであろうBBC放送を聞いてみた。


 結果は・・・やはりさっぱりわからない! 海外旅行では相手がこちらの程度に合わせ、ゆっくり、はっきり発音してくれるが、日常の会話ではそんなことはしてくれないのだ。いわゆるネイティヴな発音は相変わらずさっぱり聴き取れていなかったというわけだ。

 毎日、電車の中で必死に聞き取ろうとしてみるが、さっぱり進歩しない。それどころか普段は気にならない日本語の車内放送が、聞き耳を立てているイヤホンから英語の音をかき消すような大音量で侵入してくる。

 私は自分をかなり意志の強い人間だと思っているが、この進歩なしのイライラ続きについに負けてBBC放送を聞くのはやめてしまった。

日本人が英語を聞き取れない本当の理由とは

 英語を大量に聞いても、英語のヒアリングには効果なしと悟った私は何か効果的な勉強法は無いかと模索した。

 そんな時、とあるサイトで「奇跡の音」という英語アプリに出会った。そのアプリ作者は医者だという。
 そして日本人が英語を聴き取れない本当の理由は日本語と英語の音域に決定的な差があるからだという。

 英語は数ある言語の中でも高音域の音が圧倒的に多く、それが低音域の音が多い日本語に慣れた私たちに聞き取れない原因だそうだ。
 彼によればこのアプリは勉強道具ではなく英語の高音域に慣れるための一種のリハビリの道具なのだという。
 BBCのアナウンサーの英語音にショックを受けていた私は早速この「リハビリ」に取り組んだ。

その効果は・・・「絶大!」だった。

 先に電車内でBBC放送を聴いている時、日本語の車内放送がかかるたびに、そちらに気を取られ、いらつくことがままあったと書いた。

 読書の時は車内放送など全く気にならないのに、耳に神経を集中している時は、車内放送がとても煩く感じられるのだ。

 ところがこのアプリを使い出してから、英語を聞く時は耳が高音域に集中するようになるのだろう。同時に低い音域の日本語放送が流れていても全く気にならなくなったのだ。 
「奇跡の音」の仕組みは以下の通りだ。

 用意されているのは海外旅行の会話だ。それをまず通常の英語音域で聞く。もちろん日本語の音域よりかなり高い。次に高音域を強調した同じ文が流れる。次にさらにもう1段階高音域を強調した文が流れる。つまり一つの文で徐々に高音域の音に耳を慣らしていく、まさにリハビリだ。基本的にはこれをひたすら繰り返すだけ。

奇跡の音」アプリの効果的な使用法

  私はその使い方に私なりの工夫を加えた。それもヒアリング力が向上した原因だと思っている。 以下にこのアプリを使った私の英語勉強法を記そう。

1.苦手な高音の種類を知ろう
  最初は敢えて会話文の意味をつかもうとせず、ひたすら高音の種類を聞いてみる。確かに神経を高音域に集中して聞いてみると、それまで自分が聴き取れなかった微かな音が相当混じっていることがわかる。

 今まではそれを無視していたわけだ。しかしこのまま聞き流すのでは同じことの繰り返しになると、特に聞き取れなかった音をメモした。私の場合は特に t、 f 、wh、th、du の音が聞き取れない、さらにそれらが撥音になると全く聞き取れていなかったことがわかった。


 例えば「While we’re there 」はワーウェアーゼアのように聞こえるのだが、wh部分、th部分はまったく聞き取れなかった。

 「during weekdays 」は「デュリンウィークデイズ」のように聞こえるのだがdu部分がやはり聞き取れない。いずれも単語そのものは知っているはずなのに元の単語が判別できなくなるのだ。

 しかしこうやって聞けない音を拾い出すと、次に聞く時、無意識に人はそこに注意を向けるようになる。すると不思議なことにだんだん類似の音も聞き取れるようになるのだ。まさにリハビリと同じである。

2.苦手な文節のパターンを知ろう
 高音域に注意して英語を聞く癖がつくと、他にも今までは聞き取れていなかった苦手な文節が分かるようになってくる。そしてそれをさらに分析すると、いくつかの特有なパターンがあることがわかる。

 じっくり見てみるといずれも日本語と英語の根本的な文法の違いによるものだとわかる。整理してみよう。

  • リエゾンする母音 が含まれる文節
    •  日本語はリエゾンして音が変わるという現象がないため、本当は知っているはずの単語なのに聞き取れない。
       例えば in advance 私の頭の中では「イン アドバンス」とインプットされているが実際は「イナドバンス」と聞こえる。

       will arrive は同様に「ウィル アライブ」だが「ウィアライヴ 」となる。今まではふーんとその差に驚くだけで終わっていたのだが、この傾向を知ってからは単語の最初よりも最後の音に注意を向ける癖がつくようになった。 すると何度か繰り返すうちに初めて聞くリエゾンする文節も聞き取れるようになる。
    • さらにリエゾンの中でも特殊で頻度の多いものは覚えた方が早い。
      例えば、isとyouのリエゾンはジュと聞こえる。
       How is your family doing in Tokyo. ハウジュアファミリー
       what  is your impression ワッジュンインプレッション
    • 同様にareを含むリエゾンも聞き取りにくい。
       When you are on board ウェニュア オンボード
       What are your symptoms? ワタユア シンプトンズ
  • 修飾語が名詞の後ろに来る文節
    •  日本語では通常修飾語が名詞の前に来る。美しい絵、大きな絵などだ。そして「彼が先月購入した高価な絵」などのように相当修飾語が長くても就職文節はやはり名詞の前に来ることが圧倒的に多い。
    • だから英文を聞いていてbeautiful pictureなどは聞いたまま素直に頭に入るが、 A picture colored blue is 〜と言われるととたんについてゆけなくなる。 
       私たちの頭はそういう文節はどうやら無意識に日本語に訳してから理解しようとするようだ。
       そして都合の悪いことに、それ以降の音は本当は知っているはずの単語なのに全く聴き取らなくなるのだ。これにもいくつかのパターンがある。
      例えば、
      • 名詞の後の現在分詞で説明をつなぐもの。
         A ticket leaving September 10th
      • 過去分詞でつなぐもの。
         Tickets booked 3 days in advance
      • withでつなぐもの。
         A room with two single rooms
      • such asでつなぐもの
         amenity such as ~
    • 位置関係を示す前置詞でつなぐもの。
      •  the road ahead of us is ~
      •  the seats next to each  other are~
      •  The time between San Francisco and Tokyo is 〜

 このようなパターンを理解しておくとだんだんその文節、構文に慣れてくる。特に主語を修飾する文節の直後には動詞、特にbe動詞が来ることを予測する癖をつけると格段に聴き取りやすくなる。

  • 物が主語の構文。

 日本語では物が主語になる頻度は少ない。人が主語の場合に比べ、やはり理解がワンテンポ遅れる。例えば、

 if amenity run out~

  • have、get、take、makeなど幅広い使い方をする単語。
     単純に持つ、得る、取る、作るなどの意味だけを頭に描いていると、やはり理解が遅れる。
     例えば、
    • we have a earlier flight.
    • I had my bag repaired.  してもらうの意味のhave
    • Has anybody asked you to carry any items? 現在完了のhave
    • Let’s get something to eat.
    • If you take this flight~ 
  • 理由や結果を本文の後にasで繋げる構文。
     becauseは会話ではあまり出てこない。
    その代わり、先に言いたい事を言い、その理由、結果をasで繋げることが多い。やはり日本語では理由を先に言うことが多いからだと思う。例えば
    • ・・・as you can see.
  • 日本語では省略されがちな他動詞の後に来るyou、himが入る構文。
    文法的には正しいのだが何故か頭が目的語を気にしてしまうのだ。
    • I ‘d like to introduce you to my wife Yumiko.
    • I’d like to show you around Kobe.
    • Has anybody asked you carry any items?
  • 比較級、最上級を形容詞として使う時
    more mostはわかりやすいが最上級に変化した形容詞は聞き逃しやすい。例えば
    •  closest exit 一番近い出口

ここで述べた文節はどれも文字だけを見ると何ということはない。だが音で聞くと理解がワンテンポ遅れやすい用法なのだ。意識しておけば一人でに聞き取れるようになる。


3.その他海外旅行によく出てくる特殊な言い方を覚えておく
 これは音というよりも、海外旅行用語共通だ。普段は使わない言い方を覚えておくとヒアリングも楽である。一例を上げれば

  •  There is no reservation under Kato.加藤の名で予約はない
  •  I would like to put on the waiting list .キャンセル待ちしたい
  •  The economy class will start boarding soon.搭乗開始
  •  Have you packed your baggage?

 私がおやっと思った文をあげたが、これは人により頻度に違いがあるだろう。自分でその都度メモしておくしかないようだ。

そして今は・・・

 完璧というには、恐れ多いが、あれほど聴き取れなかったBBC放送がある程度聴けるようになったのだ。

 ヒアリングが苦手という方、是非チャレンジしてみてほしい。海外スケッチ旅がもっと楽しくなるはずだ。

P.S.

P.P.S.
絵を描くための英会話ならばもう十分と思っていたが、最近、少し欲が出てきた。もう少し旅を楽しめるよう、現在勉強中である。「スケッチ旅を楽しむ、英会話上達法!→」を参照)。


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2件のコメント

[…] ①についてはスマホアプリ「究極英単語」による勉強で何とか克服したと思っている(私の体験談はこちら→)②についてはスマホアプリ「奇跡の音」で耳のリハビリに取り組んだ(私の体験談はこちら→)③についてはさすがに即効薬はない。スマホアプリの「English Radio」でBBC放送を聞きながら訓練中だ。 […]

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