「絵を描くことであなたの人生は充実する!」

■「美緑(みりょく)空間」とは?

 このブログのタイトル「美緑(みりょく)空間」は私の絵描きとしての世界観を表している。

 「美緑」とは生命感のこと、「空間」とは人の存在する場のことだ。 その二つが一緒になった美緑(みりょく)的な空間を描くことが私の創作活動の目的だ。

 ゆえに私の絵には、自然と共にある人や建物は登場するが「人を寄せ付けぬ秘境」は登場しない。誰もが自分の部屋に飾って安らげる、優しい絵を描きたいのだ。

 そして絵は美術館で見るものではない。 自分の身の回りで、いつも目に触れるものでありたい。

 だから出来るだけ多くの人に「アートのある生活を」提供したい。 いずれは世界中の家庭に。

 それが私の夢だ。

■絵描きとは何をする人?

 夢の実現に、何をすべきか。私の絵描き活動を紹介しよう。

異国の情景を求めて旅をする

 毎年海外へスケッチ旅行に行くことにしている。といっても私の生活にそれほど金銭的余裕があるわけではない。

 ただ、生涯で描きたいと思う場所を、リストアップすると、残りの人生、毎年スケッチに行かないと描ききれないと悟っただけだ。
 だから人生の予算のうちの「海外スケッチ費用」を絶対的なものとしてカウントしている。

 生涯計画のなかで年間20万円程度の旅行費用など、誰でも、きっと何とかなるはずだ。なにしろ朝から晩まで、初めて見る異国の美しい風景を好きなだけスケッチできるのだ。

 これ以上の人生の喜びは無い。(カテゴリ「スケッチの旅海外編→」を参照)
 絵の好きな人は自分で、描きたいところをリストアップしてみてほしい。そして生涯のスケッチ計画をしてほしい。

 私と同様、きっとすぐに、来年の飛行機の早割りチケットを予約したくなるはずだ。(「海外スケッチの旅5つの心得→」を参照)

旧き良き日本の風情を求めて旅をする

 個展の計画をするときは、海外だけでなく、日本の風景もあったほうがいい。
必ずしも見に来てくれるお客様が海外の風景にあこがれているとは限らないからだ。

 私の経験で言えば、日本人なら誰もがあこがれる風景がいい。「ここ、行ったことがある!」とわかるとそれだけでその絵に好感を持ってもらえる。今までに売れた風景画はたいていそのパターンだった。

 日本の旅は年初に一年分の計画をする。行く先は主に国が選定した「重要伝統的建造物群保存地区」からリストアップしている。現在全国に120箇所ほどあり、私が描いた町はまだ約30箇所に過ぎない。

 こちらも出来れば生きている間に全て描きたいと思っている。楽しみだ。(私の風景画の描き方に興味のある方はペンと水彩で描く風景画の魅力とはを参照してほしい)

 なお私がスケッチした場所と絵描きとしての個人的感想を一覧表(「ここを描きたい日本の風景→」を参照)にしておいた。これからスケッチ旅行に行こうと思っている人は参考にしてほしい。このリストは現在も作成中で随時更新していくつもりだ。定期的にチェックしてみて欲しい。

魅力的な女性を描く

 美しい女性を見て感動するのは誰でもできる。だが、その女性の魅力を自分の手で画帳に表現することは絵を描く人にしかできない。そしてこの楽しみは絵を描かない人には永遠にわからないのだ。(「私の人物画が売れた訳→」を参照)

 しかし実は人物画を描こうとすると、たちまち直面する問題がある。初めての個展で人物画を出品したとき、友人の最初の質問はほとんど「モデルは誰?」だった。

 つまり、風景は自分で好きに対象を選べるが、人物はそうはいかない。相当の「大家(たいか)」と呼ばれる画家でも好みのモデルを探すのに苦労しているそうだ。

 私の解決法は近所の「人物画教室」に通うこと。来ている人が全員でモデル料を分担するので安く済むからだ。もちろん、モデルさんも、服装も、ポーズも自分の望むようにはならない。

 それでも画力の向上に枚数を描く事は絶対に必要だ。大いに利用させてもらっている。(「素描をデッサンだけで終わらせない!私の人物画作法とは→」を参照)

作品集「美緑(みりょく)空間」

作品集(絵描きとしての活動記録)を執筆、出版する

 最初の個展のとき私の作品をテーマにした本「美緑(みりょく)空間」を自費出版した。作品制作時の想いを添えている。わかりやすくて面白いとなかなか好評だった。この時は旅の記録が中心であったけれど、今後は多くの人が絵を描きたきくなるような「役立ち記事」を充実するつもりだ。

 そして書籍は個展を開くよりも、より多くの人に美緑(みりょく)空間の世界観を伝えてくれる可能性がある。だからいずれVol.2も発行したいと考えている。

美術館、博物館の作品を観て感性を磨く

 アートにはインプットが必要だ。
 どんな天才芸術家でも作り続けるだけの行為、アウトプットだけを続ければいずれアイデアは枯渇する。そうならないために、インプットつまり美的な刺激が必要だ。

 自分が描くジャンルの絵を見ることだけがインプットではない。敢えて違うジャンルの作品を見ることも多い。(例えば「美術館で見た茶室の不思議→」を参照→)

 刺激は美術館だけではない。歴史的な建造物にも美的感覚は刺激される(例えば「戦国時代の技が生んだ日本の美とは →」を参照)。

このブログ「美緑(みりょく)空間」で情報発信する。

 私がブログを始めたのは約10年前だ。個展を開く自信も、具体的戦略も無かったころ、なんとなくブログなら自分の感性を発信できるのではないかと考えたのだ。

 だがネットによる情報発信効果は私の予想を超えていた。例えば、最初の個展を開いた当時、訪れる人は私の知り合いばかり。案内状を見て作品を目的に来てくれる人はほとんどいなかった。

 ところが前回の個展は、半数近くがSNSを含めたネット情報をみて来てくれたお客様だった。つまり知り合いだから来たのではなく、絵を見たいから来た人が大半だったのだ。

 ネットを利用した情報発信は今やアーチストに欠くことのできないもうひとつの武器だと思っている。

 ちなみに私はSNSでも情報発信している。フェイスブックでは失敗作も含め活動状況を、インスタグラムでは主に海外への発信を意識している。それぞれのURLは以下のとおりだ。
・フェイスブックhttps://www.facebook.com/yoshine.kato
・インスタグラムhttps://www.instagram.com/painter_yoshine

■個展を開くだけで満足してはいられない!?

2度目の個展風景

 幸い、過去3回の個展は好評だった(と思っている)。自分の作品を見てもらい、感想を聞き、見知らぬ人とコミュニケーションが出来る。

 実に楽しい。喜んでもらい、絵が売れれば収入も得られる。金額の多寡ではない。サラリーマンの給料とは一味違う報酬だ。

 でも実は気がついた。このまま個展を繰り返すだけの活動でいいのだろうかと。もちろん私個人はそれなりに楽しく充実した人生だ。

 しかししょせんは私一人の活動。絵が売れればその作品はお客様一人の物になり、「より多くの人に」見てもらうことは出来ない。

 まして「全ての家庭にアートを」提供することなど永久に出来ない。もちろん大作家の作品ならば画商が企画し、バイヤーを世話し、相当の高値で売るという従来の商業的形態はある。

 だが、そんな高値売買の、限られた時間と場所と人脈が支配する世界では、普通の家庭が、いや世界中の家庭で「絵を飾って生活を楽しむ」ことはできないのだ。

■ブログ「美緑(みりょく)空間」を訪れたひとへ

 そこで提案がある。たぶんこのブログを訪問してくれた方は、絵を見るのが好き、あるいは自分でも少し描く、あるいはすでに相当描けるセミプロの人だろう。

 絵を見るのが好きな人はまず自分で描いてみてほしい。少し描ける人は、画力をつけて、リビングに飾ってもらえるレベルになってほしい。

 セミプロの人は、個展を開いて作品を少しでも多くの人に見せて、感動させてほしい。

よく考えれば「全ての家庭にアートのある生活を」提供するのは私だけである必要はない。感動させる人が多ければ多いほどいいのだ。

■アートギャラリー「美緑(みりょく)空間」のメンバー募集

 先の提案は、言い換えれば、私の個人的活動目標を皆さんに押し付けるというものだ。なんて身勝手な。

 そこで考えた。ネットの持つ情報発信力の可能性は先に述べたとおり。この際このブログを利用して私のような絵描き活動をしてくれる仲間を集めたい。

 名前は絵を描いて見せる場なのでとりあえず「美緑(みりょく)空間アートギャラリー」とし、そのメンバーを募集したいと思う。

 入会資格は絵が好きなこと。それだけだ。当然会費は無料だ。自分で絵を描き、いずれは絵描きとして活動をするために必要な情報をこのギャラリーメンバーで共有したい。具体的な内容はメンバーになってから・・・。

メール配信その他のシステムは現在構築中だ。もうしばらく待ってほしい。

P.S.
 私のブログには以下の6つのカテゴリがある。
スケッチの旅 日本編
スケッチの旅 海外編
絵画上達法
絵描きとして生きるには
ためになる美術講座
加藤美稲Painter_Yoshineはどんな人?
加藤美稲Painter_Yoshine 作品集水彩画
 どれも絵を描こうと思う人にとって有用な記事だと自負している。しかし残念ながら私の経験または意見を一方的に発信するだけのものだ。

 また仮に来訪者とメールアドレス交換をして個別に意見交換するとしたら、必ずしも私の考えに賛同しない、不特定多数の人に対応しなければならない。

 これでは、相当の手間がかかり本来の活動目的とずれてしまう。だからこのブログとは別に、世界観を同じくする特定の仲間とサークル的な活動をする場を設けたいと思ったのだ。

 ギャラリーメンバーは最低限自分で絵を描き、上達し、人に見せて、喜んでもらうことを目指してもらいたい。もちろん私の知識と技術の提供は惜しまない。

 しかし単なる画力向上が目的ならばそのための出版物はいくらでもある。ここではむしろメンバーとのコミュニケーションを大切にしたいと考えている。

 私の作品の制作プロセスやそれについての個別の質問を受けようと思う。これから絵を描くという人には大いに参考になるはずだ。すでに画力のある人は、作品を見せてもらい、メンバー間でのテクニック自慢をしてもらってもいいだろう。

 メンバー全体の実力が上がってくれば、ネット上で展示会を開くのもよい。いずれは(適正価格で)売れる仕組みも作り、世界中に広がれば「美緑(みりょく)空間」の本来の夢の実現に近づくことになる。

 どんなメンバーが集まるかもわからないので、 具体的な方法は未定だが、メンバーが集まれば意見交換して構築してゆく予定だ。

透明水彩で描く風景 知覧の武家屋敷

知覧の春 

知覧とは

 鹿児島県南九州市にある「知覧」は旧日本軍の特攻隊の基地があったことで有名だ。今でも「知覧特攻平和会館」に戦死した特攻隊員をしのぶ展示がなされている。
 その悲しい歴史には同じ日本人として、心を一つにするために、是非足を運びたい。

続きを読む

水彩画の道具 プロが使うイーゼルとは?

イーゼルについて

 水彩画を描き始めた人へ。必要な道具はもう全部揃えただろうか。もしまだ道具に不安があるなら、水彩紙については「水彩画入門!始めに買うべき道具は?→」を、水彩絵具については「水彩画を始めた人へ!プロが選ぶ絵具とは?→」を、筆については「水彩画入門!弘法は筆を選ぶ?→」を、マスキングインクについては「水彩画の道具 マスキングインクって何?→」を参考にしてほしい。

イーゼルの種類

 今日は意外に皆さんが気を使っていないイーゼルについて説明しよう。

続きを読む

美術館で見た茶室の不思議

大阪 中之島の東洋陶磁美術館を訪れた

北欧の有名な「アラビア」の陶磁器とマリメッコを見るためだ。この美術館はもともと陶磁器に特化した美術館なので北欧陶磁器の展示は当然なのだが、何故マリメッコなのか不思議に思う人も多いだろう。

 ちなみにマリメッコとはフィンランドのアパレル企業で、ファッションブランド名 でもある。鮮やかな色と大胆なプリント柄をデザインした商品が特徴だ。私の妻もこのブランドの 婦人服と靴が大好きだ。

 フィンランド航空の機体のケシの花(ウニッコという)模様と言えば思い出す人も多いのではなかろうか。

展示の目玉は茶室とマリメッコ?

 実は今回この展覧会の一番の目玉は茶室とマリメッコデザインのコラボレーションだった。茶室を説明し始めるとそれだけで一冊の本が書けてしまうが、敢えて誤解を恐れず説明しよう。多少の齟齬はご勘弁願いたい。

 一般の住宅と一番違うのは、部屋の広さと、天井高さ、入り口の寸法関係だろう。基本的にスケールが小さめだ。それは茶室の目的である「主人と客が身分の隔たりなく語り合う」という濃密な空間を作るための作法と言って良いだろう。

続きを読む

鉛筆デッサンが教えてくれるもの

 私は大学に入学すると、すぐ美術部に入り油絵を描き始めた。油絵を描けない奴なんてアーティストではない・・・そんな雰囲気があったからだ。

 そして水彩画にはないカラフルで重厚な油絵独自の表現に魅了されてしまう。展示会に備えて夜遅くまでキャンバスに向かう毎日だった。
 そしてあっという間に一年がたち、二回生になった。私が入学した工学部建築学科は二回生になると「造形演習」という講義がある。

最初の講義が石膏デッサンだった

続きを読む

水彩で描く桜の風景 世界遺産姫路城!

姫路城 春爛漫

日本の風景を描くなら…

 私が描く日本の風景は古い町並みが多い。その理由はトップページ「絵を描くことであなたの人生は充実する!→」で触れた通りだ。そして「町並み」は一般に建物単体で見るとそれほどの文化的価値はない。

 住民の努力によって町ぐるみで保存活動をしないと、すぐに町並みは歯抜け状態となる。このブログでも、いくつかの町並みで残念なコメント(「ペンと水彩で描く山寺の風景 出石の達磨寺→」を参照)をせざるを得なかった。

続きを読む

透明水彩で描く風景画 アルハンブラ宮殿

 言わずと知れたスペイン、グラナダのアルハンブラ宮殿。有名な写真はいくらでもある。
 世界遺産としてテレビでも何度も放映されているだろう。でも敢えて言いたい。自分で描いた一枚は特別な存在だ。その時その場所で感じたことが必ず絵に現れているからだ。

 絵描きとしてのスペインの歩き方はすでに記している。(カテゴリ「スケッチの旅海外編スペイン→」を参照)
 今回は私が描いたアルハンブラ宮殿の作画手法とプロセスを述べようと思う。

続きを読む

水彩画にふさわしいグリザイユ画法とは?

グリザイユ画法で描かれた油絵 「横たわるオダリスク」

 皆さんは「グリザイユ画法」という言葉を聞いたことがあるだろうか?

 水彩画教室、特に初心者用の教室ではあまり教えてくれない。だがこのブログでは頻繁に登場する、水彩画を描くにあたってとても有用な技法なのだ。
 今回はこの「グリザイユ画法」についてまとめてみる。

目次

1.グリザイユ画法とは?

2.油絵におけるグリザイユ画法

3.水彩画におけるグリザイユ画法

 3.1シンプルな水彩グリザイユ画法

 3.2下塗りの効果を活かしたグリザイユ画法 

4.水彩画グリザイユ画法の注意点

 4.1不透明色を塗ってはいけない!

 4.2色を重ねすぎてはいけない?

5.まとめ

続きを読む

固形水彩絵の具の使い方

 皆さんは今、どんな絵具を使っているだろうか? 

 オーソドックスなおすすめとしては入手しやすい国産のホルベインチューブ入り透明水彩とプラスチック製のパレットのセットだろうか?

 私の使うパレット付き固形絵具(「スケッチ旅行に必要な道具とは→」を参照)を使っている人は少数派かもしれない。だが今回は敢えて固形水彩絵の具の便利な使い方について書いてみたい。

1.固形水彩絵の具とは

2.固形水彩絵の具のメリットとデメリット

3.固形水彩絵の具の使い方

4.固形水彩絵の具、こんな使い方もある

5.まとめ

続きを読む

水彩画入門 色塗りの基礎技法を覚えよう!

  水彩画を描き始めた人へ。あなたは次の言葉を知っているだろうか?
「平塗り」
「ウォッシュ」
「ウェット オン ウェット」
「バックラン」
「リフティング」
知らない言葉が多いのではなかろうか。いずれも水彩画の「塗り」に関する基礎用語だ。

水彩画は誰もが子供の頃から馴染んだ、扱いやすい画材だ。だからと言って、基礎的な知識もなく、全くの直感だけでいい絵が描けるほど、単純な世界でもない。このブログの目的はトップページの絵を描くことであなたの人生は充実する!→に書いたように、他人に喜んでもらえるような絵を描くことだ。もちろんそのためにはそれなりに基礎の理論とテクニックが必要だ。

絵具や水彩紙の理論については以下の記事を参照にしてほしい。

 デッサンについてはとりあえず以下の記事を読んでほしい。

 今回の取り上げるのは水彩画ならではの「色塗りの基礎技法」だ。特に透明水彩の世界では先に挙げたように、案外専門用語が多く戸惑うこともある。人により定義も若干違うようだが、基礎となる考え方に大差はない。一通り理解しておくと、あなたの制作に役立つだつだろう。

続きを読む

建物のある風景の描き方

 皆さんはもし「風景画」を描きなさいと言われたら、どんな絵を思い浮かべるだろうか?風光明媚な山や川など美しい自然の風景を描こうとするのではなかろうか?

 しかし、普段私たちが目にしているのは生活の場であって、美しい自然の風景ではなく建物のある風景だろう。

今回はそんな「建物のある風景の描き方」を考えたいと思う。

目次

1.「建物のある風景」の特徴

2.場所の選定

3.構図の決め方

4.下書きの描き方

5.下塗りの仕方

6.明暗の描き込み

7.材質の描き込み

8.仕上げ

9.まとめ

続きを読む