古くて斬新なアート発見!友禅の美

 このブログのトップページに書いたように、絵を描き続けるには常に芸術的な刺激を受け続ける必要がある。アウトプットだけではいずれアイデアは枯渇するからだ。
 私は刺激を受け続けるために、なるべく話題の美術館は行くようにしているが、今回は私が生まれて始めて見た「京友禅」の展覧会の話だ。

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気になる美術イベント・・・六甲ミーツ・アート2019

 このイベントは2010年から毎年、秋に行なわれている。名前の通り、現代アートを六甲山の自然の中で展示することにより、人の出会いを生み出そうという試みだ。
 神戸市は近年人口減が著しい。インバウンドによる観光客も大阪や京都に比べれば寂しい状況だ。地元神戸住民として、また同じアートに携わる人間としては大いに気になるイベントである。
 実はこのイベントに参加するのは今年が初めて。私自身のリサーチ不足もあって今回、十分に堪能したとは言えないが、来年参加する方へのアドバイスも含めて「個人的」な感想を報告しよう。

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水彩紙が風邪をひいた!どうする? ベルガモのスケッチより

 二度目のイタリアスケッチ旅でのことだった。いつものようにいつも使っていたラングトンの0号スケッチブックをスーツケースに入れた。
 冒頭の絵はそのスケッチブックでベルガモの寺院を描いたものだ。実はその年は帰国後すぐ個展の準備をしなければならず、このスケッチは着彩しないまま本棚で眠っていた。

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山間に住まう!合掌造りの風景をスケッチ

山間に住まう 作者:加藤美稲

 私が日本の風景を描く時、国が選定した「重要伝統的建造物群保存地区」を旅することが多い。
 そして一般的にこの「重伝建」は文化財を維持、保存し得る環境の町、つまり人口密度が高く、経済的に余力のある寺内町、宿場町、商家町などが多い。
 だから今も旅するのに交通機関に不自由することはない。

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クラシック音楽のすすめ

 芸術は人の心を豊かにする。これは間違い無いだろう。

 文学、読書については、以前に「創作を刺激する読書法→」で記事を書いた。今回は音楽について描こうと思う。

 私は絵はそれなりに描けるが楽器は全く弾けない。でも音楽を聴くのは好きだ。特にクラシック音楽が好きだ。逆に最近のヒット曲は全く知らない。

 クラシック音楽は大学の頃、クラシック好きな、同じ下宿に住んでいた友人の影響で聴き始めた。当時はまだCDはなく、彼はもっぱらクラシックのLPレコードを買い集めていた。

 彼のコレクションは半端では無い。確か集めたLPレコードは500枚ほどあったはずだ。当時LPレコードの値段は2000円程度だったと記憶しているが、それでも100万円を費やしていることになる。アルバイト代はほとんどそれに充てていたようだ。

 実はクラシックのLPレコード500枚を集めるのは容易では無い。先に述べたお金のことではなく、ポップスに比べると曲数が圧倒的に少ないからだ。

 ベートーベンもモーツァルトも今から新しい曲を書くことはない。だから彼らの曲が好きな人は、一枚のレコードを擦り切れるまで聴くか、指揮者とオーケストラを変えて、演奏の微妙な違いを愉しむのである。

 事実私の友人もベートーベンの交響曲だけで50枚持っていた。ご存知のようにベートーベンの交響曲は1番から9番までしかない。ということは彼は同じ曲を演奏を変え、5枚以上持っていたことになる。

 貧乏学生だった私には当初、同じ曲を何故何枚も買うのか全く理解出来なかった。
 だが夜毎に彼の部屋で酒を飲みながらクラシック音楽を聴いていると、同じ曲でも指揮者とオーケストラが違うと全く印象が違うことがわかるようになったのだ。

 例えば私が最初に聞いたベートーベンの交響曲3番「英雄」は嫌いだった。指揮者は「カール・ベーム」。演奏は天下の「ウィーン交響楽団」だった。

 「名演」と呼ばれるレコードだったらしいが、私には「退屈」だった。いわゆる玄人受けする演奏だったのだろう。それを友人にいうとすぐさま彼は指揮者「フルト・ヴェングラー」、演奏「ウィーン交響楽団」のレコードを聴かせてくれた。

 すると・・・違うのだ。私はそれ以来「英雄」は大好きな曲になった。

 同じように有名なベートーベン交響曲第5番「運命」は指揮者「カルロス・クライバー」演奏は「ウィーン交響楽団」のものが最高に好きになった。

 彼から受けた影響はとても大きく、私は社会人になってから、ステレオセットを買い、いわゆる「名演」と言われるCDを買うようになった。

 そして最初に買ったCDがあの「カルロス・クライバー」と「ウィーン交響楽団」の「運命」だったのだ。

 そしていよいよ、CDをプレーヤーにセット。耳をすませて・・・・!

 しかし・・・・?・・・おかしい。

 感動しない。

 最初はCDの音質のせいかと思った。だがそうではない。正規の音質の筈だ。そう思って、ジャケットの解説を見直す。
 すると感動しなかった理由が推測できた。指揮者も楽団も当然曲目も同じ。だが、演奏年が違っていたのだ。

 すぐにCD店に戻り、目指す本当のCDを探すと、すぐに見つかった。気がつかない私のミスだった。
 家に帰り、早速聞いてみた。

 文句なし。「これだ!」

 このCDは今でも聴く。思い出深いCDなのだ。もっとも社会人になって仕事が忙しくなると、クラシック音楽だけを聴くためだけに、数十分~1時間ステレオの前に陣取るという余裕がなくなる。

 最近は建築の仕事に追われることはなくなったが、絵を描く時間を確保しようとすると、やはりじっくりクラシック音楽を聴くことは難しい。

 今はもっぱら日曜日の朝食時にAmazonのアレクサに「クラシック音楽かけて」と呼びかけ、Boseのスピーカーで聴くことが多い。

 当然指揮者も楽団も本来の私の好みではないが、生活を豊かにしてくれることには間違いない。

 時代が変われば楽しみ方も変わる。それでいいと思っている。

鉛筆と透明水彩はこう使う!海に浮かぶ桜島

桜島白煙:作者 加藤美稲

 私の生まれ故郷は岐阜である。木曽川、揖斐川、長良川の三大河川がまとまって海に注ぐ濃尾平野にある。扇状地であるため、岐阜市の大部分は標高10mそこそこだと聞いている。
 だが実は岐阜県は海に面していない。山国なのだ。だから一番高く急峻な山でも338メートル(今はもう少し高いらしい)の金華山、山の麓に流れる一級河川長良川でもその川幅はせいぜい30メートル、穏やかで小ぶりな自然なのだ。
 そんな私の子供のころからの「山」と「川」の原風景を一変させたのが「桜島」だった。

絵描きを目指して、再び風景画を描き始めたものの、関西の風景ばかりを描くのに少々飽きてきた。たまには遠いところでスケッチしたいと、とりあえず本州最南端の鹿児島県を選んだわけだ。
 開通間もない九州新幹線で新神戸から鹿児島まで約4時間の旅。実を言うと鹿児島にそれほど期待していたわけでなかった。
 だが初めて目にした桜島は十二分に魅力的だった。
 もちろん、海に浮かぶ活火山で、いつ噴火するかわからないとか、通りいっぺんの知識はあった。だが「知っている」ことと実物をこの目で「見る」ことは全く違うのだと改めて思い知らされた。

 何しろ、まず山が緑色じゃない。 表面はゴツゴツとした岩だらけ。そして地肌はその名の由来のように桜の花びらののように赤い。
 岩の切っ先が空に描き出す鋭い稜線の形は奇抜で、頂は白煙を吹いている。 先に述べた私の山のイメージと全く違うのだ。
 しかもその海抜1,117mの巨大な岩の塊が緑の大海から唐突に突き出ているのだ。
 その姿は美しいというより神々しいと言うべきだろう。

 桜島は鹿児島市内ほとんどどこからでも見える。ベストショットは観光名所である旧薩摩藩島津家別邸「仙厳院」の庭園から見る桜島だそうだ。
 当然この機会にと、私も訪れた。
 だが庭園越しに見る風景は本来「借景」であるはず。主体はあくまで庭園なのだ。
 しかし目に映るのが「桜島」では、相手が悪すぎた。その圧倒的な存在感の前には、棟梁の意匠も、庭師の精妙な手入れもかすんでしまう。
 だから私の記憶に「庭園」は全く残っていない。

 というわけでどうせならと、この絵は港から桜島だけを見つめて描いたものだ。
 絵の技術的な解説をしておこう。このブログを何度か見ていただいた方なら一見して、私のいつもの水彩画と違うことが分かるだろう。(いつもの水彩画の描き方はこちら→
 まず描くべき対象の下書き、輪郭にペンを使っていない。鉛筆だ。何故だかお分かりだろうか?
 実はこの絵の他にペンで桜島を描いた絵が2枚ある。だが、それらはペンで描いた山の稜線が目立ちすぎて、山の全体的な質感、存在感がでないのだ。
ならばと、稜線を細くかすれるようなタッチで描くと、シャープで個性的な桜島のラインの面白さが出ない。
 そこでこの絵では線は全て鉛筆で下書きをしている。ただし、この鉛筆の線は形を取るためのものではない。あくまで桜島のボリュームを表現するために使っている。だから技法としては、鉛筆による石膏デッサンに近い。
 鉛筆だけで、形、明暗で存在感を表現した後、山肌、海、麓の緑に色を入れた。
 本来なら空は一番明るい部分なので、鉛筆線を入れずに色だけを塗ってもいいのだが、今回のテーマには頂の白煙の表現が重要だ。
 そのため敢えて空の全面に鉛筆でクロスハッチングを入れた。空を若干暗くすることにより、白煙の白さを強調したわけだ。そして山の「桜色」を強調するために、海は濃い目のコバルトブルーとウィンザーバイオレットをたっぷりと使っている。
 絵のサイズはいつものSM(サムホール)。しかし桜島の雄大さを表現するなら、その時持っていた最大サイズ6号のスケッチブックに描くべきだった。少し反省している。

最後に借景の庭園は別として、千厳院は絵の題材としての素晴らしい。写真を添えておくので皆さんも是非ここでスケッチしてほしい。

P.S.
 水彩画の基本的な色の塗り方(詳細はこちら→)については別に記事を書いている。興味のある方は参照してほしい。
 今回、スケッチ先を選ぶにあたり、「とりあえず本州最南端!」で選んだと書いた。だが、今後の予定を立てるためにも、今まで行ったスケッチ先をきちんと記録しておこうとリスト化することにした。私の乾燥もつけて「ここが描きたい日本の風景!(詳細はこちら→)」という記事にまとめた。スケッチ旅を計画している人は参考にしてもらうとよいと思う。

水彩で描く夕日の風景 丹波篠山の武家屋敷

御徒士町武家屋敷群

 ヨーロッパの風景を描くのも楽しいが、日本の風景を描くのも楽しい。特に私は古い日本の町並みに郷愁を感じる。
 私は神戸に住んでいる。だから日本の風景をスケッチしに行くと言えば、友人はすぐに「京都かい?」と尋ねる。だが実は地元兵庫県にも日帰りでいける、素晴らしい場所があるのだ。

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