ウィーンで待っていた大失敗とは

ウィーン王宮

2014年夏。 永年の夢だったオーストリアの首都ウィーンを訪れた。

 イタリア(旅の詳細はこちら→)についで二度目のヨーロッパだ。イタリアはローマ帝国以来の文化歴史で別格として 二度目が何故ウィーンなのか。 普通の日本人なら(特にファッションに興味のある人にとっては)たぶん花の都フランス、パリだろう。
 しかし私はちょっと天邪鬼。パリは現代のおしゃれの文化のイメージが強く、ちょっと新しすぎるのでパス。ローマ時代とルネサンスの文化はすでに見た。しかし個人的見解で言わせてもらうとこれらの文化は少し質素、禁欲的なところがある。だから次にスケッチするのはルネサンスの少し後、華麗で自由なヨーロッパ王侯貴族の文化が残る町ウィーンへ行くと決めていたのだ。

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橋が似合う!プラハの風景をスケッチ

スケッチの旅、今はウィーンからプラハに向かう列車の中だ。

 いかにオプティミストの私とは言え、外国で財布もカードなくすという致命的な失敗を犯すと、またなにかトラブルが起きるのではという不安にかられる。
 プラハの地下鉄の駅に着いたのは夜の9時半。地図で見る限りホテルまで歩いて5,6分のはず。あと少し。「今日は無事終わった・・・。」
と安心しかけたのは、やはり早計だった。

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イラストのコツ教えます

 私の作品は水彩画が中心だ。しかし実は最初の個展(「失敗しない個展の開き方→」を参照)の時、

ペン描きイラストを展示した

 その中で意外に人気があったのが、ホテル客室の平面を描いたもの。そのうちの一枚、東京ニューオータニ・インのエグゼクティブシングルルームの平面図だ。我ながら細かいとこまでよく書いたものだ。

 実はこのイラスト、ゼロから私が考えたのではない。妹尾河童が「河童が覗いたヨーロッパ」で旅先のホテルをスケッチしていたのを見て、真似をしてみたのだ。当時は結構出張があったので、題材に不自由することはなかった。
 河童さんは本の中で

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桜の絵はむつかしい?

 私が知っているある画廊は毎年3月末になると「桜の絵展」を開く。TVニュースで取り上げられる桜前線の情報と連動した企画である。その狙いが当たるかどうかはさておき、各家庭では

「今年の花見はどこへいく?」

という会話が交わされるのは間違いないだろう。我家もしかり、今年は関西で屈指の桜の名所、夙川(兵庫県西宮市)に出かけ、手作りサンドイッチとワインで楽しい一日を過ごした。
 さて、そんな日本人にとって切っても切り離せない桜。画家ならそれを絵にしたいと思うのは当然で件(くだん)の画廊にも毎年多くの出展申込があると聞く。しかし実を言うと

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中山道の風景を描く 深谷

 日本の風景を描く・・・今回は埼玉県「深谷」だ。用事がありこの町を訪れることになった。せっかくだからスケッチをしようと思い、調べてみた。

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クロッキー帳に何を描く?

 学生時代あれほど絵を描くのに熱中していたのに、絵描きになるという野望を抱くことなく、選んだ道はゼネコンの設計部。高校時代に決めた建築家になるという目標に向かって歩き出したのだ。

もはや絵筆は不要!

 鞄にはいつもペンとクロッキー帳を入れていた。設計エスキースの必携品だ。
 芸術的センスが要求される建築家とはいえ、所詮はサラリーマンでビジネスの世界で生きている。締め切りに追われ、夜遅くまで気力と体力を消耗する毎日だったが、絵を描くことを完全に忘れていたわけではない。

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水都大阪を描く!中之島5つの歴史的建物とは?

 東京と並ぶ大都市大阪。地元住民の「上方」意識は強く、東京に対する対抗心は相変わらず旺盛だ。だが、大阪市の人口は停滞気味で約270万人(2015年統計)。「大阪都構想」を掲げているものの、東京はもちろん、実は人口は372万人(2015年統計)の横浜市よりも少ないのが実情だ。

 そんな「首都東京」に比べるといまひとつ、活気に劣る大阪だが、街づくりにおいては粋な試みをしている。その一つが中之島界隈の都市整備だ。
 このブログの別の記事で書いたように東京が「一丁倫敦」の風景の要であった建物を次々と取り壊し(三菱一号館の記事はこちら→東京銀行協会の記事はこちら→)、生まれ変わっていったのに対し、大阪市はかつての「水都大阪」のイメージを前面に押し出す政策を取っている。
 そのパンフレットの一文から察するに、目標の一つはどうやら「中之島をパリのシテ島にする」ことのようだ。言われてみれば、堂島川と土佐堀川にはさまれた中之島ゾーンはセーヌ川のシテ島とスケールもそれほど違わない。
 建物も有名な辰野金吾設計の中央公会堂(中之島公会堂)や辰野金吾の弟子野口孫市設計の府立中之島図書館、同じく辰野金吾の日本銀行大阪支店など、パリのノートルダム寺院ほどの歴史はないものの、名だたる名建築が並んでいる。
 建物だけではない。バラ園で有名な手入れの行き届いた中之島公園。「大江橋」、「難波橋」など石造アーチの橋梁もシテ島に架かる橋とデザインにおいて遜色ない。
 スケッチするなら中之島公会堂、中之島図書館は5月、新緑鮮やかなゴールデンウィークの頃がお勧めだ。

日本銀行大阪支店

 一方大阪の大動脈「御堂筋」に面する日本銀行大阪支店をスケッチするなら秋をお勧めする。なぜならご覧のように、御堂筋のシンボルである銀杏並木が威厳のありすぎる建物の外壁を鮮やかな黄色の葉をアクセサリーにして飾ってくれるからだ。

 実はこの中之島界隈には、先の3つの近代建築とはちょっと毛並みの変わった建物がほかに2つある。
 同じ土佐堀川に面してビルの谷間にぽつんと建つ「北浜レトロビル」。大正時代にできた建物らしい。入り口や窓周りの石の装飾や銅板屋根が面白い。
そしてその少し南に、やはり近代的なビルに囲まれて立派な和風の建物が建っている。これが「愛珠幼稚園」。民間によって建てられた日本最古の幼稚園だそうだ。
 そして両方とも残されているのは外観だけじゃない。前者は「紅茶専門店」、後者はいまだ幼稚園として元気な幼児を育てている。
 私の絵描きとしての活動はトップページに書いているが、そのうちの一つが、いわば「今に生きる日本の風景」を描くこと。その意味ではこれらの風景は私の意図にぴったり合う。これら5つの風景はいずれも私のスケッチブックに収まっている。

 なお、「水都大阪」の活動は当初は大阪市が中心であったが、現在は大阪府、大阪市、民間一体の「水都大阪コンソーシアム」として引き継がれている。
 そのせいだろうか、最近のイベントは本来観光客の減る真冬にも行われるようになった。その一つが「クリスマス」に行われる中之島公会堂のファサードへのプロジェクションマッピングだ。
 公会堂のルネサンス様式の窓やバロック風のドーム屋根の形を生かした見事な映像ショーだ。毎年多くの観光客がビデオやカメラを手に押し寄せている。

 先に書いた「粋な取り組み」は少しずつ実を結んでいる気がする。いつの日か「シテ島を日本の中之島と比べる・・・」などという記事をパリジェンヌが読んでくれる日が来ることを期待したい。

お寺を描こう!寺院建築4つの様式を知っている?

 私の活動のひとつ(詳細はこちら→)は日本の風景を描くこと。そのために寺院建築はとても大切な素材だ。だが京都(スケッチ旅の詳細はこちら→)や奈良(スケッチ旅の詳細はこちら→)には国宝級建物がいくらでもあるが、私の住む兵庫県(スケッチ旅の詳細はこちら→)はと言うと、国宝建築物を擁する施設は6施設しかなく、その大半は姫路城にあり、地元神戸市には残念ながら国宝建築物は一件もないのが実情だ。

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ローマを描く!バロック教会にチャレンジ

 私が初めてイタリア、ローマを訪れた時の感動はいまも忘れ難い。旅先で絵を描くことの幸せをしみじみと味わうことを覚えたのもその時(詳細記事はこちら→)である。
 朝から晩までスケッチをし、充実した旅であったことは間違いないのだが、一点だけ悔いが残っていた。それが冒頭の写真、ボロミーニのサン・カッロ・アッレ・クアトロ・フォンターネ聖堂をスケッチできなかったことだ。
 写真はホワイトバランスを調整し、建物のディテールを見やすくしてあるが、頂部だけが反射していることで分かるように、到着した時刻は日暮れ直前で絵を描ける状態ではなかったのだ。
 泣く泣く翌日次の都市に向かったのだが、3年後再びイタリアに旅し、この絵を描くためにローマにもどってきたというわけだ。

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