イタリアをスケッチする フィレンツェ編

フィレンツェの町並み 画材店休業!

フィレンツェ初日!

 ローマでスケッチ用のペンを落としてしまった私(「イタリアをスケッチする ローマ編→」を参照)。ペンが無ければ絵は描けない。その日の夜遅くフィレンツェのホテルに到着すると、インターネットで早速市内の「画材店」を検索した。

 さすがに芸術の都フィレンツェ。数件の画材店がヒットした。ちょっと安心し、その日は眠りにつくことに。

 翌朝食事を済ませると、まっすぐに画材店へ。けれど運命の女神は私を見放しているようだった。

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イタリアをスケッチする ヴェネツィア編

 フィレンツェからユーロスターに乗りヴェネツィアへ。昼間は動き回り移動は夕方にというのが旅の定石だが、イタリアでは真昼の移動も悪くない。車窓に流れるのどかな緑一色の田園風景を楽しめるからだ。
  旅の達人なら、押し寄せる眠気を気にせず、そのまま白昼夢を楽しむだろう。だが私は初めてヨーロッパを訪れた初心者。 車内アナウンス が駅名を告げるたびにびくびくし、緊張するうちに目的地になんとか到着した。
 この日予約したホテルは、ヴェネツィア本島ではなく、手前の駅メストレ。
チェックインを済ませ、再び列車に乗り、海を渡りサンタルチア駅に到着したのは午後3時過ぎだった。

サン・ジェレミア教会
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額縁の値段と絵の値段?

 そろそろ皆に喜んでもらえるような絵が描けるようになり、個展でもしようかと思い始めたあなたにアドバイスを。
 額をどうするか意外に悩むのではなかろうか。私も初めての個展を開くとき、そうだった。(個展の開き方についてはこちら→
個展を開くとすれば、当然ある程度まとまった枚数が必要だ。

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失敗しない個展の開き方

最初の個展 大阪心斎橋 ギャラリーA Stair

 絵が好き、ブログも作って作品をアップしている。グーグル検索に自分の名前が載るようにもなった。そんなあなた。次のステップは個展を開くことだと思い始めたのではないだろうか。賛成だ。

 もちろん絵が売れればいいが、何よりも来場者に自分の絵の感想を直接聞けるし、作品の出来栄えを肌で感じることが出来るからだ。私の経験を中心に役に立つ情報をお伝えしよう。

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評価される絵を描く秘訣

スペイン トレド
 二度目の個展の案内状に使用した絵

 私は定年後、プロの水彩画家になると決心した。そのためにはまず絵を描くことだと、学生時代以来久しぶりに、猛然と絵を描き始めた。とりあえずの

目標は毎週1枚、年間52枚の絵を描くことだ。

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駅裏で発見!レトロな昭和の街を歩く

 美緑空間へようこそ。そして水彩画を、風景画を描き始めたあなたへ。そろそろ絵の題材に困っているのではなかろうか。しょっちゅう京都や奈良へ旅するわけにはいかない。かといって家の周りの住宅街では絵にならない・・・。きょうはそんな人のために「駅裏」に注目してみたい。

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これはアートか?公園か?彫刻か?建築か?

札幌に不思議な施設がある。

広大な敷地にガラスのピラミッドが建っている。
見渡す限りの草原の中に、ポツンと山があり、森と泉がある。
道に沿って歩いていくと
彫刻のような、遊具のような、家具のような、大地の一部のようなオブジェがあちこちにある。
次に何が現れるのだろうと、わくわくする気持ちが抑えられない。

 そんな施設がここ。その名を「モエレ沼公園」という。設計者は20世紀を代表する日系の彫刻家イサム・ノグチ。
 1988年設計開始。ノグチはマスタープラン完成後、急死。1988年工事開始、17年後の2005年にやっと完成した。

 私が訪れたのは完成後3年を経た2008年だ。アート関係者の間では当時相当有名で、かなりの入場者数があったはずだ。
 だが、敷地の端から端までを一気にが見渡せない程の広さ。人の気配は感じられない。私のカメラに映った人影はゼロだった。
 アートが作る自然と人の不思議な空間に一人放り出されて、無心になる。俗世間を忘れいつのまにか時間が過ぎていく。
 かと言って単なる癒しの空間ではなく、退屈することもない。生まれて初めての体験だった。アート好きの人は絶対に行って欲しいと思う。

 一方でこの施設、実は芸術的だけでなく技術的にもよく考えられている。例えば例のガラスのピラミッド。当然小さなガラスを何枚も繋いでいるのだが、いわゆるガラスをはめるサッシ枠は使用していない。強化ガラスに穴を開け、ガラスの端部の4点で支持している。だから離れてみると、枠は見えずガラスだけでピラミッドが構成されているように見えるのだ。

 ピラミッドには当然雨樋などという無粋なものも無い。だから壁面に落ちた雨は一気に壁を降り足元に流れる。その雨水はガラスに付いたホコリや泥を含んでいるので、そのまま放りっぱなしにすると、足元の仕上げ材を酷く汚すし、歩行者の足元を濡らしてしまう。それら雨水対策のため、ピラミッドの足元には目立たぬよう周囲全面にグレーチングが敷いてある。取り合う床石のジョイント位置も美しく整えられている。
 人々を入り口まで導いてくれる庇のデザインもスリムで美しい。支える柱が数本立っているだけで宙に浮いているようだ。両側の壁を利用して屋根を支えると共に、地震時の横揺れにも対応しているようだ。
 この庇、やはり雨樋がない。こういう設計をすると、庇の両側から垂れた雨水は地面の泥や砂を跳ねて建物を汚してしまう。
 だからこの庇下の雨が落ちる部分は砂利敷になっている。雨水は砂利の凸凹によって水跳ねを抑えられる。そして雨水は砂利の下を通って近くの排水溝に導かれるようになっているようだ。プロ好みの美しいディテールだ。

内部もよく考えられている。外壁が全面ガラスなので夏は相当暑くなり冷房は必須だ。だがまさかガラスの壁面にエアコンをつけるわけにいかない。かと言って、天井から吊るすにはピラミッドが高すぎる。だからご覧のように足元に空調の吹き出しがあるのだ。

いかがだろう。きっとアート好きも建築好きも満足するに違いない。

P.S.
気になるアート関連情報は、このブログの「ためになる美術講座」(詳細はこちら→)にまとめてある。興味ある人は覗いてほしい。

今から絵描きを目指す人のために

イタリア ローマ ナヴォーナ広場

■今の人生に満足?

 サラリーマンも50代後半になるとその道のキャリアに終わりが近づいてきたことを悟る。そのまま大過なく勤め上げ退職金と年金で余生を送る・・・よくある人生だ。だが私の場合そんな選択が出来なかった。
 もう一度自分の人生を振り返り、これでいいかと問いかける。そろそろ封印してきた「絵描きになる」という道をもう一度追っかけてもいいじゃないか・・・そんな決断をしてしまったのだ。

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水彩画の魅力 「色」とは何だろう?

 水彩画の絵具と色について、このブログで以下のようにいくつかの記事を書いた。
水彩画入門!プロが選ぶ絵具は?
絵具の知識 透明水彩は何故美しい?
有名絵画に見るブルーの秘密
 しかし実は色彩の科学はかなり奥が深く、記事の中で書ききれなかった部分、あるいは記事を書いた時点ではわからなかったが、その後解明できたこと、そして私の中で未だに解決していないことなどがある。

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絵で稼ぐことを覚えた子供

それは小学校二年生の時だった

そのころ私の両親は離婚していて、父は後妻を迎えていた。当時の記憶は定かではないが、明るい家庭でなかったのは確かだ。

 ある日の図画工作の時間。先生が「今日は何でも自由に描いていいですよ」と告げた。皆、当然のように夏休み、冬休み、海や山で家族や友達と遊んで楽しかった思い出のシーンを描いていた。

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