1.絵画上達法

ペンと水彩で描く風景画の魅力とは

 透明水彩で風景画を上手に描く方法は?

 透明水彩で風景画を描くとき、その技法は大雑把に言って2つある。 下書きの線を生かして水彩するものと、線は最小限、下書きにとどめ、色だけで表現するものだ。

 前者はいわゆる「淡彩スケッチ」と呼ばれ、いろいろな教本を見ると、柔らかい(2Bくらい)鉛筆で下書きし、薄めの透明水彩で色つけをするという方法が主流だ。

 後者は透明水彩独特の重色によるグリザイユ画法(「水彩画にふさわしいグリザイユ画法とは→」を参照)とぼかしや滲みを生かした表現を多用し、鉛筆の線は最後はほとんど消してしまうことを推奨しているようだ。最近の透明水彩を使う画家の作品もほとんどがこちらの方法だ。

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水彩画にふさわしいグリザイユ画法とは?

グリザイユ画法で描かれた油絵 「横たわるオダリスク」

 皆さんは「グリザイユ画法」という言葉を聞いたことがあるだろうか?

 水彩画教室、特に初心者用の教室ではあまり教えてくれない。だがこのブログでは頻繁に登場する、水彩画を描くにあたってとても有用な技法なのだ。
 今回はこの「グリザイユ画法」についてまとめてみる。

目次

1.グリザイユ画法とは?

2.油絵におけるグリザイユ画法

3.水彩画におけるグリザイユ画法

 3.1シンプルな水彩グリザイユ画法

 3.2下塗りの効果を活かしたグリザイユ画法 

4.水彩画グリザイユ画法の注意点

 4.1不透明色を塗ってはいけない!

 4.2色を重ねすぎてはいけない?

5.まとめ

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これが水彩画上達法? ブログの書き方!

 水彩画を描き始めて「しばらくたった」方へ

 「あんな素敵な絵が描けたら・・・早く上達したい!」

 そう思っているあなたには、描けば描くほど次のステップが見えてくるに違いない。今までの技術に加え、さらに上の表現ができそうなヒントが見えてくる。

 こんな時あなたはどうしているだろうか?今回はそんな悩みを水彩画の上達につなげる方法を考えようと思う。

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水彩画で使うペン!あなたならどれを選ぶ?

風景画に使うペンの選び方は?

 ペンと水彩で風景画を描こうと思っている人へ。あなたはどんなペンを使っているだろうか?

 絵画用のペンをインク壺に浸して描くというのが古典的で正当な方法だろう。
 だが現実的に、私のように頻繁にスケッチ旅に出かける者にとっては、やはりさっと取り出し、気軽に描けるペンが欲しい。インク壺を持ち歩くのは正直言って苦痛だ。

 今回は、そんなちょっとめんどくさがり屋の人のために、より簡単で、いい絵が描けるそんなペンは無いか、私なりの経験と、検証結果をお話ししようと思う。

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誰でもできるデッサン練習法とは

 デッサンに自信がないという人へ。どんな練習をしてますか?

 大半の人が「デッサンだけの練習なんてしていない」と答えるのではなかろうか?
 特に「絵が好き。でも自分で描くのはちょっと・・・」という人。この人たちは「失敗したらどうしよう」という気持ちが隠れているようだ。

 だから人物のデッサンをしても、風景のスケッチに出かけても消しゴムを手放さない。ちょっと失敗するとすぐに消しゴムで消してしまう。だからそもそも練習にならないのだ。

 そうはいっても人前で絵を描くなんていう行為は何年もしていない人にとって自信の無いデッサンを見せることに抵抗があるのだろう。ならばどうしたらいい?

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顔と手のデッサン、おすすめの教本は?

人物デッサンの基本とは?

 あなたは人物デッサンの基本となる顔の描き方、基本の比例関係を知っているだろうか?

 カルチャーセンターの中には案外「個性重視」で本人の好きなように描かせて何も教えないところもあると聞く。あるいは親切な講師がいるところは、以下のような基本くらいは教えてくれるだろう。

「まず顔を小さい方を下にした卵として描く。目は頭のてっぺんと顎下の中央線上にある。目の上の眉を目との関係で決めたら、眉と顎下端の半分の位置が鼻の下である。」

 しかし人物画は難しい。上の理屈を覚えている程度ではうまく描けない。
 風景画なら余程、遠近法の理屈(「鉛筆はいらない!下書きしない風景画の描き方→」を参照)を無視しない限り、デッサンの狂いを指摘されることも、酷評される事もない。

 しかし人物画は目、口、鼻、耳の位置と顔の大きさの基本比率を間違えると、モデルに似る似ない以前に、人の顔に見えなくなってしまう。

 しかも、厄介なことに、この「基本比率」はどうやら素人にもわかるらしい。絵を描いたことの無い人にも「おかしい」ことだけは指摘できるのだ。本当に人間の目は不思議だと思う。

 先に書いた「目が頭の半分の位置にある・・・」というルールは正しい。私も長い間これを頼りにデッサンをしていた。だがこのルールはあくまで人間の顔を正面から見た時にのみ通用する。

 だから顔を傾けたりすると途端に適用しにくくなる。例えば斜め上を見た人を考えよう。2つの目は卵形の円形ラインに沿って、並ぶことになるが、もともと人間の顔と卵とは膨らみ方が違うので、もはや目があった水平ラインは何の役にも立たない。

 しかも首の付け根や、あごの形や耳のつき方は卵を想定して基本比率を想定していてはたぶん描けない。だから結局、最後は「モデルをよく見て描きなさい」ということになる。

 モデルが優秀で動かない人ならば「よく見て」描けるが、基本のできていないモデルを描くと悲惨だ。最初に顔を描き、デッサンが全部終わる頃には顔の向きが最初とまるで変っていたりする。

 基本比率が通用しない角度の位置で描いていると、どこを修正したら良いかわからなくなる。

おすすめの教本は?

 だからモデルが多少動いても、正確な顔が描ける方法、手順はないかと探りたくなる。実はそれを教えてくれる本がある。 冒頭に写真を掲げた、A・ルーミス著「やさしい顔と手の描き方」だ。

 出版は1977年と記載されている。随分と昔の本だが、今でもAmazonで在庫を気にすることなく手に入る。余程人気があるのだろう。

 私も読んでみた。図解が必要なので、詳しい解説は避けるが、今まで覚えていた方法と違う点は2つある。一つは顔のデッサンで最初のガイドラインになるのが目ではなく眉だということ。

 もう一つは頭の外径は卵形ではなく球形の両サイドカット型に顔の平面をくっつけた形だということ。

 著者はこの理論を人間の頭蓋骨から導いたという。この方法の一番良い点は顔の基本比率が正面から見たときだけでなく、立体として詳細に理論を展開できることだ。

 もちろん練習が必要なのだが、彼の理論を突き詰めれば、どんな角度の顔も自由自在に描けるという。私もその理論を現在習得中だ。ただ頭をサイドをカットした球と捉える感覚がまだ身についていない。

 私の場合、顎下の位置を決めたときに、頭の球体を実際より小さく描きがちで、結果的に眉と目の位置が上がり過ぎ、面長の顔になる傾向にあるようだ。
 この失敗については「顔のデッサン3つの教訓!なぜ似ない?→」を参照してほしい。

 そんな注意点はあるものの、解剖学を前提にかかれているだけあって、本の内容全般にとても説得力がある。

 もし今から、顔の基本的な比率について知りたい、何か本で勉強したいと思う人がいるなら、是非この「やさしい顔と手の描き方」を読んで欲しい。きっと役に立つはずだ。

P.S.
今回は顔のデッサンをするときの本について書いたが、人物画の描き方については以下の記事を書いている。参考にしてほしい。
素描をデッサンだけで終わらせない!私の人物画作法とは→
顔のデッサン、5つの勘違い→
顔のデッサン3つの教訓!なぜ似ない?→
私の人物画が売れた訳→
手のデッサンはむつかしい?→
透明水彩で描く人物画 デッサン編→
忘れがちな人物デッサンのコツ→
人物クロッキーの道具と描き方→
水彩で描く人物画!5つの注意点とは?→

■カテゴリ絵画上達法→
■私の作品の実例は加藤美稲水彩画作品集→

鉛筆で描く淡彩スケッチのコツ

■鉛筆で淡彩スケッチを描いてみよう

 トップページを見ていただければわかるように、私の風景画はほとんどがペンと水彩で描いたものだ。その経緯は「ペンと水彩で描く風景画の魅力とは→」に書いている。

 線の美しさが活かせることがその最大の理由だが、絵を始めたばかりの初心者にとっては、やはりペンでいきなり描き始めるのは敷居が高い。鉛筆に勝る下書きの道具はないだろう。
 今回はそんな人のために、鉛筆の線の上に水彩を塗る、淡彩スケッチのコツを述べよう。

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何故上達しない?知っておきたい水彩画の正しい着彩手順!

水彩画を初めた方へ

 カルチャーセンタへも毎週行っている。相当努力したはずだ。だがちょっと待ってほしい。あなたの絵を周りの人はどのように評価してくれているだろうか?
「あなたの絵、個性があって素敵ね」などと褒めてくれる頃ではないだろうか?

 だがちょっと待って欲しい。私の経験で言うとこれはある意味、悪魔のささやきなのだ。
もう一度自分の目で、いや他者の目で自分の作品を客観的に見る必要があるのだ。

 大抵はこの段階で「個性的」と言われたのは「ワンパターン」で、それも「今ひとつの」レベルだということなのだ。つまり「お金を出してまでは欲しいとは思わないけどね」という意味が言外に含まれているのだ。

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水彩画を始めた人へ!プロが選ぶ絵具とは?

水彩画を描き始めたあなたへ。絵具はどれを買ったらいいのだろう??

 水彩画を描くにあたり一番重要なのは「水彩紙」である(水彩紙の選び方はこちら→)。そして次に大事なのは水彩絵具だ。今回は絵具の基礎知識と選び方について解説する。

 まず絵具の種類について説明しよう。大きく二つに分ければ透明水彩不透明水彩に分類される。

 透明水彩の特徴は絵具を重ねた時下の絵具が透けて見える。例えば黄色の絵具の上に青色の透明水彩絵の具を重ねると透明感ある緑色に見える。

 不透明水彩の場合は下の色が何色であっても上に重ねた色しか見えない。
 一般に水彩画家、watercolor- painter が使う「水彩」絵具といえば通常透明水彩を指している。

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