1.絵画上達法

水彩画入門!「ふちどり」はどうするの?

「水彩画を描く時の「ふちどり」はどう描くべきだろうかか?」
 あなたはこんな疑問を持ったことはないだろうか?

 考えてみると鉛筆、クレヨン、筆、ペンなどどんな画材も基本は線だ。モチーフのアウトラインを描くと必ず縁どりができる。

 その線はどうするのか?実に意味深い疑問だと思う。今回はその素朴な疑問について考えようと思う。

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iPadとタッチペンで絵は描けるか?

 皆さんの中でiPadでスケッチをしてみたいという人はいないだろうか?

 きっと相当いるに違いない。私自身もそう思っているからだ。

 水彩画は油絵に比べれば、持ち運びも簡単でコンパクトだとはいえ、スケッチブックはもちろん、絵具も筆も水入れも必要だ。しかもウォッシュ→乾燥→ウォッシュ→など水彩画独自の時間のかかる面倒な工程もある(透明水彩の用語と基礎技法についてはこちら→)。

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絵を描き始めた人へ!鉛筆はどう使い分ける?

 絵を描く人が必ず持っている基本的な道具は何か?それは「鉛筆」だ。だが、ここで質問したい。「どんな鉛筆をどう使い分けたらいいのだろうか?」

 実はインターネットを見る限り、この答えは人により、何を描くかによって相当差がある。今も迷っている初心者は多いのではなかろうか。今回はその「鉛筆の使い分け」について考えたい。

目次

1.鉛筆の性質と役割
2.鉛筆の種類
3.鉛筆の使い方
4.鉛筆の選び方
 4.1クロッキー
 4.2鉛筆による似顔絵
 4.3鉛筆デッサン
 4.4濃密な鉛筆画
 4.5水彩画の下図
 4.6水彩画の濃密な下絵

■鉛筆の性質と役割

 鉛筆は炭素の結晶である黒鉛(「鉛」の文字があるが成分に鉛は含まれていない。毒性は一切ないのでご安心を)を芯としている。

 紙に描くと表面で摩耗し、その粉が紙の繊維に定着して黒く残る。筆圧により太くも細くもなる。種類を選べば硬さ、柔らかさ、黒の濃さも選べる。さらに炭素の粉は水に溶けない。経年変化で変色もしない。

 つまり絵画として作品を残すには最良の材料なのである。絵を描く人なら必ず持っているという事実には科学的な理由があるのだ。

■鉛筆の種類

 鉛筆の芯は黒鉛と粘土からできている。黒鉛成分が多いほど柔らかく、粘土成分が多いほど硬い。

 JIS規格では柔らかい順に6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H、7H、8H、9Hの17種類がある。(特定のメーカーが10H、10Bまでを製造している)。

 メーカーはステッドラーと三菱が有名だ。トンボの鉛筆は個人的感想だがやや引っかかる感じがするので私は使わない。製図をする人はステッドラーの評判が良い。私はもっぱら三菱ハイユニを使っている。

■鉛筆の使い方

 さて今回の本題はここからである。インターネットで私が見た書き込みを一部紹介しよう。

・鉛筆画で人物画を描いている人
「6B」1本で全て描く。理由は濃い鉛筆なら薄い線もかける。持ち替える必要がないので、素早く描ける。

・同じく鉛筆画で人物画を描く人
鉛筆画の魅力は「濃さ」である。したがって10Bをメインに使っている。

・水彩で人物画を描いている人
2Bで下絵を描いている。これ以上濃いと、鉛筆の粉が水彩の画面を汚すから。またこれ以上薄いと水彩を塗ったときに下絵の線が見えなくなってしまうから。

・とあるデッサン教室
6Bから6Hまで13本必要。描き始めには2B、色の濃さを出したい部分には4B以上をの鉛筆で足してゆく。

 これらはほんの一例だ。使う種類だけでなく、鉛筆の削り方、角度、ぼかし方などについても意見はバラバラだ。どうやら単純にベストな使い分けを定義するのは難しそうだ。

 唯一言えるのは各人がそれぞれの方法を持っていて、それなりに理由があるということだ。

鉛筆の選び方

 だが「使う人による」「好みによる」だけでは流石に今回のテーマを考えたことにはならないだろう。私なりの意見を追加してまとめてみよう。

 答えがばらつく最大の理由は目指すべき姿つまり、鉛筆で描き終えた時の線の密度、目的が違うからだ。そこで以下のように分類してみた。

「クロッキー」、「鉛筆の似顔絵」、「鉛筆デッサン」、「濃密な鉛筆画」は鉛筆だけで仕上げるもの。「水彩画の下図」、「水彩画の濃密な下絵」は鉛筆画の上に色を塗ることが前提だ。

 皆さんの目的に合わせて、参考にして欲しい。

■クロッキー

 ほとんどアウトラインだけあるいは立体を表現する最低限の陰の線だけである。従って線は濃く、鉛筆はスピーディーに動かす必要があるので4B以上~6Bという回答が多そうだ。これより硬い鉛筆は紙面に引っかかりやすいし、柔らかすぎる鉛筆は折れやすい。

■鉛筆による似顔絵

 依頼者の前でせいぜい20分ほどで、失敗なく描き終えなければいけない。人物の存在感を表現するにはやはり6Bくらいが良さそうだ。許容時間を考えればやはり鉛筆の本数は少ない方がいい。

 ただ人の肌を描くにはいかに筆圧を弱くしても、6Bだけで表現するにはやや濃すぎると思う。もう2、3本硬めの鉛筆を揃えた方がいいのではなかろうか?

■鉛筆デッサン

 インターネットで最も一般的な答えを提供するものだ。6Hから6Bまでまんべんなく揃えるておけば良い。教本も豊富に揃っているし、指導内容にもそれほど差はない。

■濃密な鉛筆画

 人物、風景、静物いずれの場合も鉛筆だけで描いた作品の線の密度は非常に高い。暗部の鉛筆はかなり濃い。じっくりと10Bの鉛筆の濃淡を追求するのだろう。

■水彩画の下図

 水彩絵の具での表現がメインで鉛筆は輪郭が主体である場合はある程度の濃さがあり、鉛筆の粉で画面を汚さない2Bが良さそうだ。

■水彩画の濃密な下絵

 このサブタイトルを奇妙な表現だと感ずるかもしれない。だが実は私の水彩画では鉛筆の線は単なる輪郭ではない。グレーの色調で細部まで明暗を表現する手段である。鉛筆画はそのまま透明水彩の下絵となる。

 インターネットで調べた限りではこのジャンルの書き込みはほとんど見かけなかった。

 試しに「水彩画」「鉛筆」「デッサン」とグーグルの画像検索をしてみると、大半は先に書いた輪郭線によるデッサンと水彩、または鉛筆デッサンの説明が出てくる。

 例外が以下の3つの記事だ。

・「素描をデッサンだけで終わらせない!私の人物画作法とは
・「鉛筆デッサンが教えてくれるもの
・「透明水彩で描く人物画 デッサン編

 実はこの3つはすべてこのブログの私の作品制作の記事なのだ。詳細はそれぞれリンクを張ってあるので見てほしい。

 これらの記事での私の鉛筆の使い分けは4Hから4Bまでを使うものだ。デッサンや似顔絵のように濃い6Bを使わないのは、やはり鉛筆の粉が水彩の表現を汚すこと、黒が濃すぎて水彩画の淡い色調と調和しないからだ。

 逆に6Hのような硬い鉛筆を使わないのは水彩を塗ると見えなくなることが理由だ。鉛筆の本来持っているグレーの美しい色調を出し切るには4H~4Bくらいまでの階調がちょうど良いのだ。

P.S.
このブログには文中にリンクを張った以外にも関連する記事がある。興味のある人は参考にしてほしい。
■カテゴリ「絵画上達法→
■「鉛筆画の消す技術と道具→

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