絵描きのための生涯資金計画

 私の絵描きとしての活動はトップページで書いているとおりだが、海外スケッチ旅も、個展開催も、本の出版も当然ながらそれなりに費用が必要だ。
 しかし私は本格的な絵描きとしての活動は初めて間もない。当然そちらからの収入はまだ少ない。でも、「世界中の家庭にアートのある生活を」という私の理想に邁進するには、活動をやめるわけにはいかない。ならば資金を何とかしなければならない。
 というわけで今回は資金の話をしようと思う。ただし当然だがお金の話、資金計画なるものは、個人の状況によってその計画に個人差が出る。
 まして私は建築の知識と絵の知識はそれなりに持っているが、ファイナンシャルプランナーでも、金融マンでもない。
 だから私が今まで勉強した知識、参考図書、その概略と私見などを述べることにする。絵描きとしての将来の資金計画に不安のある方の参考になれば幸いである。

 まず私自身の資金に関する前提条件を述べておこう。私は「今から絵描きを目指す人のために」で記したように、会社の定年と同時にいわゆる熟年離婚をした。
 従って、その時までにの貯金も、退職金も前妻と折半にした。それだけならいいが、当然住む家も別々に必要なので、もう一軒マンションを購入し、新たなローンを抱えた。
 さらに前妻は専業主婦だったので私が将来もらえる年金も半額近くに減らされてしまった。つまり、将来の資金計画を真剣に考えないと、絵描きになるどころではなかったのだ。
こんな状況で私が学んだことがいくつかある。私と同じように将来の資金計画に不安を抱える人のために、それを順に述べよう。

■現状の収入と支出を把握しよう。
月の収支を集計し年単位でいくらの赤字、黒字かを把握しよう。

■現状の資産と借金を把握しよう。
資産とは貯金、株、不動産などをいう。借金は住宅ローン、カードローンなど。

両者を比較すると4パターンのタイプに分かれるはずだ。あなたは以下のどのパターンに当てはまるだろうか。
①年単位の収支が赤字となり、資産は借金の方が多い人。
②年単位の収支が赤字となり、でも借金よりは資産が多い人。
③借金の方が資産より多いが、年単位の収支は黒字の人。
④借金はあるが資産の方がそれを上回っており、年単位の収支は黒字になる人。

それぞれのパターンでどうすべきだろうか考えよう。
①のパターンの人
 この方は残念ながら、将来資金計画を論ずる段階に至ってない。まず、収入を増やす、生活を切り詰めることをして、最低限年単位で黒字にすることをすぐにでも実行すべきだろう。
②のパターンの人
 親から遺産をもらって、暮らす人はこのタイプ。資産がたっぷり有れば実はこの方が理想の絵描きかもしれない。資金計画も単純なので、ここでの議論から割愛する。
③④のパターンの人
 ③は40歳過ぎの標準サラリーマン、④は定年前のサラリーマンの家庭が典型的なパターンだろう。そして私自身も若い頃は③、定年前は④だった。だから私の例で対策例を述べよう。

 実は私は40歳の頃から、将来の資金計画をずっと立てて来た。毎年年初に、昨年の年間収入、年間支出、資産、借金を算定し、何歳になったら自分の純資産(資産-借金)がマイナスになってしまうか、わかりやすく言うと生活のための貯金が底をつくかを計算し続けて来た。

 ここで皆さんにアドバイスしたい。
 大切なことはまず現状を把握すること、そして将来の姿を予測することだ。闇雲に不安を抱えるだけでは問題はけっして解決しない。そして一番大切なことはこの将来計画で、長く生きるためだけに、自分のやりたいことの資金をケチらないことだ。

 私の場合、将来にわたって海外スケッチ旅をするとか、個展をするとか、美緑(みりょく)空間の理想実現のための投資費用を見込むとか、最初から何歳の時にいくら、あるいは毎年いくらとエクセルに必要金額を記入してしまう。だからアウトプットは「何をあきらめるか」ではなく「何歳まで生きられるか?」だ。
 40歳頃は将来何があるか分からないので、退職金はあてにせずシミュレーションした。78歳と出た。だがこの頃はいずれ好転するだろうと気にもしなかった。

 55歳を過ぎて子供も就職し、退職金予測、年金予測も正確に投入すると、やっと85歳と出た。ほっとしたのも束の間、離婚後の数値を入れると、何とまたまた78歳までしか生きられないと出た。

 大切なのはこの数字を継続して追いかけることだ。 もちろん人により、貯金も生活のグレードも、夢の実現に必要な金額がちう。 だが毎年の数字を見れば今から何をすべきか、何を変えるべきかを考えることが出来る。
 あなたも是非自分の人生を計算してほしい。計算に当たって私が参考にしたのは以下の本だ。
 ・後藤弘著 「サラリーマンの生涯資金計画」
考え方が素晴らしい。しかしちょっと古い本なので今の経済情勢には合わない。同様の趣旨の本を探した方が良いと思う。
 ・松本晃一著 人生の計算(パソコンで読む究極のライフ・シミュレーション) エクセルの人生シミュレーションシートの作り方を教えてくれる。税制などが今と異なるが、基本は同じだ。私は20年前からずっとこのシートを毎年メンテしてシミュレーションしている。

 夢のための資金は削らないと書いたが、私は日々の生活は徹底して削ろうと思った。新聞や雑誌の「節約術」特集などは時代に合った税制やクレジットカード、各社のポイント付与率などがタイムリーに記されていて、とても参考になった。
 そして要点はスマホのメモファイルにまとめて普段から見られるようにしている。

 年金、保険などについての最新情報及びそれにあわせた節約術は荻原博子著 「年金だけでも暮らせます」に役立つ情報が網羅されている。
 ただしこの著者は政府、銀行など、いわゆる体制側の発言をかなり批判しており、「投資は不要」を強く主張しすぎているので注意が必要だ。

 経済論に基づく投資及び資産運用全般については高橋洋一氏、小林慶一郎氏、三橋貴明氏、藤巻健史、大前研一氏らの著作が最近の経済動向を捉えて、私たちがどうしたらいいか示唆をくれる。彼らは何冊も本を出しているので、出来るだけ新しい著作を読むといいだろう。
 ちなみに私はこれら経済関連の本は自分では買わない。全て図書館で借りる。すぐに情報が古くなるからだ。そしてその時代に応じて彼らの結論も少しずつずれてくる。判断はあなた自身でする必要がある。

 それで、私は結局どうしたか?
 今年の年初の私のシミュレーション結果はいまの夢を追っても「95歳までは生きられそう」だった。理由は簡単に言えば二つある。

 一つは資産が増えたこと。前妻と分けた退職金を貯蓄ではなく投資に向けたせいだ。特に結果的に見ると日本の株式投資を減らし、アメリカ、又は世界への投資銘柄を増やしたことが良かったようだ。やはりこの超低金利の時代、私のように78歳までしか生きられないという結果が出たものはにとって、貯蓄だけに頼っていては、資産は増えないというのは正論だ。
 ただし大半の人は荻原博子氏の言うように政府や銀行に「騙されやすい」ことも事実で、損をした人も多いはずだ。対抗するためにはある程度の経済の勉強、情報収集は必要だ。
 そしてもう一つの理由は再婚したことだろう。経済活動をする二人が一緒に住むと、日常の共有による合理化が出来るし、年金を含む税制の優遇措置が受けられるからだ。

 絵描きは絵さえ描ければ幸せ・・・などとは言うまい。絵は感性が大切。でも人生は理論と計算が大切なのだ。

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