水彩画入門!大きな絵はどうやって描く?

普段小さなスケッチブックで描いている人へ。そろそろ大きな絵が描きたくなってきたのではなかろうか?

理由は色々だろう。「大きな絵は気持ちがいいから」あるいは「公募展に出そうとしたら、要項に20号以上と書いてあるから」などなど。

でも油絵なら20号のキャンバスは売っているが、水彩用のそんな大きなスケッチブックは売っていない。

今回はそんな初心者のために「大きな絵を描く」段取りと注意事項を教えよう。

目次

1.大きな水彩紙の入手方法
1.1水彩紙
1.2パネル

2.水張りの仕方
2.1パネルよりも小さい水彩紙の場合
2.2パネルよりも大きな水彩紙の場合

3.大きな絵を描くための道具と注意事項

◾️大きな水彩紙の入手方法

油絵ならばキャンバス地を張ったパネルが売っているので、それを買えば良いが、大きな水彩紙に描こうと思うと、そんな便利なパネルは売っていない。すべて自分で段取りする必要がある。だから初心者には少し敷居が高い。水彩紙、パネルそれぞれ入手する時の注意点を述べよう。

・水彩紙

画材店の店頭で普通に入手できる水彩紙のスケッチブックはF8号までだが、カタログを見る限りF10号まではある。だが、それより大きな作品を描くにはロール紙を買い、必要なサイズに切って使うことになる。

高級紙アルシュのロール紙は幅113cmあるのでF80号までのサイズが切り出せる。だがコストも相当高く1ロール当たり2万円以上するはずだ。

しかも水彩紙は保存が悪いと風邪をひいてしまう(「水彩紙が風邪をひいた!どうする? ベルガモのスケッチより→」を参照)。高価なロール紙を買い、使い切らないうちにダメになってしまったら最悪だ。

だが私のように「普通の家庭に飾る絵」を描く絵描きにとっては「大きい」と言ってもF20号-F 25くらいが現実的なサイズだ。そしてそんな人にお勧めの水彩紙が「大判紙」として売っている。

F20号ならばアルシュには大判紙がある。F25号ならば少し大きめだがウォーターフォードの大判紙がある。これら大判紙を必要に応じて一枚ずつ購入することをおすすめする。

・パネル

当然だが、水彩紙はそれ単独では絵は描けない。下に何かしらの画板が必要だ。大判の水彩紙を単に画板に敷いただけで描くと、画面の波打ちが激しくとても絵を描ける状態ではなくなってしまう。

だから「水張り」作業が必須となる。一般には表面にベニヤを張った木組みパネルが売っているのでそれを購入し、自分で水彩紙を水張りして使うのだ。

◾️水張りの仕方

「水張り」作業は結構面倒くさい。初めての人のために私の失敗談も含め注意点を記しておく。

・パネルよりも小さい水彩紙の場合

パネルよりも小さな水彩紙を使う場合と大きな水彩紙を使う場合の両方がある。簡単なのは前者だ。

例えばF25号のパネルにF20号の紙を水張りする。この場合は水彩紙裏面にたっぷりと水を塗り、十分に湿らせ、紙が伸び切ったところでパネルに載せる。

表面のベニヤが水分を吸うのでタオルで間の空気を押し出してやれば、ほぼ密着する。あとは紙の周囲を水張りテープで留めてやればいい。

注意点は水張りテープは強力なので、水彩紙から剥がすことはできない。つまり完成後の作品はテープの内側でカッターを入れ切ることになるので、紙がF20号ぴったりの大きさの紙ならば作品は少し小さくなる。額のマットサイズをそれに合わせておく必要があるので注意が必要だ。

・パネルよりも大きな水彩紙の場合

パネルが F25号とすると水彩紙外寸を2cm程度大きめに切り、縁を折り曲げてパネルに水張りする方法である。この場合は水張りテープはパネルの木口に貼るのでカッターは パネルサイズと同じ大きさで入れられる。つまり作品サイズはF25号ぴったりの大きさになる。

ただし水張りの作業は少し厄介だ。水彩紙の裏面にたっぷり水を塗るのは先の例と同じだが、端を折り込む作業が必要だ。

ところが保水性の悪い水彩紙の場合は、折り込み作業に時間をとられると、渇きが早いため、パネルの周囲に浮きが出てしまう。特に湿度の少ない冬季に水張りし、梅雨期に描き始めると、水張りしたにもかかわらず、制作中に波打ちしてしまう事がある。

もちろん慣れた人にとっては、どんな紙でも、どんな時期でも問題なしという報告もある。いずれにしろ、ある程度の慣れは必要だろう。

◾️大きな絵を描くための道具と注意事項

私自身の経験からの少しアドバイスをしておこう。水張りをするためには、大きな水彩紙に手早く水を塗るための大きな刷毛が必要だ。事前に百円均一店のものでいいので購入しておこう。

パネルから作品を剥がした後の水張りテープの除去はかなり大変だ。パネルに残ったテープを水で湿らせ、固めのスポンジやタワシでかなり力を入れて擦らないと取れない。

水に濡れたテープのカスも相当出るので、それなりに汚れることを覚悟して作業場所を確保しておこう。

水張り後の制作中の波打ちだけは絶対に避けたい。スケッチブックであれば、裏からもう一度水を引けば、しわや波打ちは無くなり、続けて絵は描ける。だが水張りしてあると裏に水を塗ることもできない。

波打ったままの水彩紙にウォッシュすると、凹んだ部分に絵具がたまり、どんな技術を使おうが必ずムラになる。一度水張りした水彩紙は剥がしてやりなおすことはできない。完成まで我慢強く描ききるしかないのだ。

そんな私の最悪経験を皆さんには繰り返して欲しくない。水張りは慎重に!

P.S.
文中にリンクを張った記事以外にも以下のような関連する記事を書いている。興味のある人は参考にしてほしい。

■カテゴリ「絵画上達法→
■私の作品実例「加藤美稲水彩画作品集→
■「水彩画入門 色塗りの基礎技法を覚えよう!→

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください