海外旅行が好きな人へ。
冒頭の写真にある奇妙な建物は何だかお分かりだろうか?わかる人は相当建築に詳しい人だ。
正解は台湾、台中にあるオペラハウスである。正式名称は「台中国家歌劇院」と言う。
台湾へスケッチ旅を考えている人には是非訪ねて欲しい建物だ。設計者は日本の有名建築家、伊東豊雄氏である。この建物は国際コンペで設計者が選ばれた。その奇抜なアイデアはコンペ直後はもちろん、実施設計中も工事中もずっと世界中の建築関係者から注目を集めていた。
やっと完成したと聞き、早速旅行のスケジュールをたてて、見に行こうとした。人情として、建物だけではつまらないと、上演されるオペラも見ようとしたが、どういうわけか私の滞在中は公演予定がない。
飛行機のチケットはかなり早めに押さえたので、その日までには何らかの演目は決まるだろうと楽観的に考えていたが、結局大小どの劇場でも一切の公演は行われなかった。
建物ができたばかりのせいなのか、台湾のお国柄のせいなのかはなのかはわからない。私が行く前後1か月ほどだけが公演が無かった。同じようにオペラも見たいという人は事前によくチェックしてから飛行機のチケットを買うことをお勧めする。
さてせっかく行くのにいくら何でも外観だけでは勿体無いと、ネットで調べてみると、この施設やはり人気があるのだろう、公演がなくても有料の館内巡回ツアーがあるという。ただし開始時間が限られている。やはり事前の確認が必要だ。
内部を紹介!
残念ながら私はツアーに間に合わなかった。しかしありがたいことに建物の外観はもちろん、内部の共用部は自由に入れるということがわかった。飛行機のチケットは無駄にはならなかったのだ。
この施設、外観もユニークだが、御覧のように内観はもっと奇抜だ。上と下の空間がなんとなく、どこまでも、くねくねとつながっている、不思議な建物だ。
「日本にはこんな不思議な建物が無いのは何故?」と思うかもしれない。実は日本の建築設計者、デザイナーがこの手の吹き抜けの多い建物を設計するときに必ず悩まされるのが日本の法規に必要な防火シャッターだ。
皆さんもデパートやショッピングセンターで無数のシャッタレールが壁や天井に走っているのを見たことがあるだろう。ところがこの建物にはそれがない。だからこんな美しい局面の壁や天井が出来上がる。実にうらやましい。
なお壁が垂直に建っていないので、日本の建築基準法で定義する「延べ床面積」というものも無いらしい。面積がわからないと固定資産税も払えないではないか・・・などと考えてしまうのは一般人の悲しい性。こんな破格のデザインの建物では素直にその幻想的な空間を楽しめということだろう。
間違ってもこの建物を「水彩画」にしてやろうなどと思ってはいけない。
P.S
台湾の見所を以下のカテゴリにまとめている。スケッチ旅の参考にどうぞ。
「スケッチの旅海外篇/台湾→」
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