水彩道具と言えば…
皆さんは水彩画を描き始めた時、あるいはこれから始めようとしているとして、どうやって、どんな道具を揃えただろうか?
たぶん「水彩画セット」を買った人、あるいはカルチャーセンターのおすすめリストに従って買った人が多いのではないだろうか?。
そしてその場合は大抵、絵具一式、丸筆、パレットなど最低限のものしか揃っていない。もちろん初めはそれでいい。でも描き慣れてくると、色々道具に関する情報が入ってくる。
あるいは自分で考え、発見した道具が増えてくる。そしていつのまにか、そのこだわり道具がないと絵が描けなくなってしまうのだ。
こんな使い方もある!
今回はそんな変わり種道具の一例を紹介しよう
私がこだわるのは「筆洗い」だ。いきなり「えっ」という声が聞こえてきそうだ。
「筆」というならわかるけど、「筆洗いと水彩画の出来栄えとどんな関係があるの?」と思うかもしれない。
実は少し前まで私の筆洗いはスケッチに行った時に買った飲み物の空き瓶だった。
口が広くて、洗いやすい案外と使いやすかったからだ。我ながら無頓着だったと思う。
では最近は何を使っているかというと、画材店で買った高級品ではない。冒頭の写真にある、百円均一店で買ったプラスチックの箱だ。
商品名はそう、「リモコン入れ」だ。
よい筆洗いの条件とは?
皆さんの呆れる顔が目に浮かぶが、馬鹿にしてはいけない。水がたっぷり入り、口の大きさ、形がきちんと区分けがされている。
それが何故水彩画の出来栄えに影響するのか、説明しよう。私が水入れにこだわりだしたのは、ウォッシュ技法とグリザイユ技法を多用する様になったからだ。
広い水彩紙の面に均質に水あるいは絵具をたっぷり塗るウォッシュ技法(「水彩画入門 色塗りの基礎技法を覚えよう!→」を参照)には筆ではなく幅広の刷毛がいる。
飲み物の瓶では刷毛が入らない。一度だけなら問題ないが透明水彩の場合は何度も水を引く。
だからいつも綺麗な水の入った刷毛専用の区画が欲しいのだ。 一方グリザイユ画法では薄めの絵具を重ねるので水が汚れているとすぐ色が濁ってしまう。だからきれいな水の専用の区画が欲しい。
そしてパレット上で頻繁に混色するのだが、混色した筆は綺麗に洗い、次の混色は他の色がついていない穂先で絵具をつけるようにする必要がある。
つまり、汚れた筆は、何度でも使える洗い専用の大きな区画がいることになる。
上の写真を見てほしい。一番左の区画は筆洗い専用区画。だから水はいつも汚れている。右下の区画は水彩紙に水を引く時の大型の刷毛専用だ。
この刷毛は水引専用で絵具をつけないので、それほど毛の柔らかさも弾力性もを必要としない。だからやはり百円均一店で買ったものだ。
右上の二つの区画は互いに厳密に役割を決めているわけでないが、グリザイユ用の薄い絵具をつける前に筆先をきれいな水で湿らせるための区画としている。
画面の右上の小さめの刷毛は画材店で購入した日本画用の刷毛で、ある程度幅が広くて柔らかくとても使いやすい。だからファーストウォッシュの時によく使っている。
中央上部はの彩色筆、面相筆、オーバル筆がいれてある区画は、きれいな水で、筆を湿らせるための筆一般の区画だ。
どうだろう?「たかが筆洗い」と言えど絵描きにとってはそれなりにこだわる理由があるのだ。
P.S.
水彩画の道具については以下に関連する記事を掲載している。興味ある方は参考にしてほしい。
私の描く水彩画について下記に基本的な記事をまとめている。参考にしてほしい。
[…] 「こだわりの水彩道具! こんな使い方知ってる?→」 […]