百円均一店で揃える水彩画の道具!

 水彩画を本格的に始めると道具にそれなりにお金がかかる。でも最近の百円均一店には実に多くの雑貨が揃っていて、画材店で高級なものを揃えなくても、百円の品で十分というものもある。
 今回は私の愛用の百円均一店で揃う画材(として使える)の品々を紹介しよう。

「画材」として並んでいるもの

  • 水彩絵具12色セット
    残念ながら絵描きとしてはこれは使えない。発色も良くないし、本格的な水彩の技法も使えない。理由は「水彩画を始めた人へ!プロが選ぶ絵具とは?→」を参照してほしい。

  • ナイロン製はやめたほうがいい。理由は「筆の選び方、「水彩画入門!弘法は筆を選ぶ?→」を参照してほしい。
     ただし最近「馬毛」の大、中、小3本セットを発見した。ちょっと腰が弱いが柔らかく、水の含みもいい。毛先も細く、ある程度しなるので私はぼかし用の筆として愛用している。
  • 画用紙
    これも水彩紙としては使えない。理由は「水彩画入門!始めに買うべき道具は?→」を参照してほしい。
     ただしクロッキー帳としてなら十分使える。ちょっと小さいのと、背表紙が薄く、描くときに支えにくいのが難だが、画板が準備できるようなアトリエだったら十分だ。
  • パレット
    プラスチック製しかないが、十分使えると思う。私自身は固形絵具とパレットがセットになったものを使っているので、この品は使っていない。
  • 刷毛
    透明水彩絵具を滲ませて使うとき、水彩紙全面に水を引くことがある。この際に通常の平筆では幅が狭すぎて手間である。
     画材店で日本画用の刷毛を見ると結構高い。そこで百円均一店で探したところ、幅6cm程度の刷毛を見つけた。
     多目的用と説明してあるだけに、毛先はちょっと硬いが絵具をつけるわけではないので、問題はない。これも重宝している。

正式な絵の道具ではないが、役に立つもの


  • 同じ色を大量に塗るときは、通常の随時混色用パレットではなく、単独の皿に混色しておくと良い。私は以下の2種類を使い分けている。
     大量に同じ色が必要でかつ複数の色の混色が必要な場合(例えば人物画の肌色)は直径10cmくらいの白い丸皿を利用している。フラットな面が広いので混色具合を確認しやすい。

     単色が大量に必要な場合(空の色、草原の緑など)は薬味皿(二つ仕切)を準備している。
     浅すぎる皿は水が広がりすぎて絵具濃度が一定しない。狭く深すぎると筆を出し入れするのに邪魔になる。そしてできれば何色か同時に準備出来るほうがいいという先の条件にぴったりなのだ。
  •  水入
    これも画材店に行くと実はかなりいい値段がする。携帯用で特殊な機能が必要な場合はともかくとして、水入ほどシンプルな機能の画材はない。百円均一店で十分なはずなのだ。

     そう思って探してみたが、実はなかなかそれらしいものが見当たらず苦労した。なぜなら食器類は全般に浅すぎる。バケツの類は深すぎる。何より仕切りがない。筆を洗う部分の汚れた水と混色用のきれいな水は分けるべきなのだ。

     可動仕切りのある整理ボックスは仕切りが、密着していないので、水が隣と混ざってしまう。

     しかしある日、ついに全ての欠点を克服した理想の水入を見つけた。それは卓上リモコンボックスだ。広い、深い、仕切りが密着して水漏れがない。以来私の愛用の水入はこれである。十分だ。
  • 水彩紙保存袋と乾燥剤
    水彩紙の風邪ひき現象は絵描きにとっては最悪である。(詳細は「もっと知りたい水彩画の魅力!水彩紙とは?→」、「水彩紙が風邪をひいた!どうする?ベルガモのスケッチより→」「人物画で水彩紙が風邪をひくと…!」を参照)

     そこで、水彩紙を乾燥した状態に保つため、最近は密封袋に入れ、乾燥剤を同梱して保存している。袋は寝具や衣類を入れるものにすると8号のスケッチブックでも楽々入れられる。乾燥剤は色々と売っているが、私は繰り返し使える「珪藻土タイプ」を使っている。

 いかがだろう。本格的に水彩画を描くなら高級な道具はそれなりに必要だ。でも何でも画材店で高級品をそろえる必要は無い。皆さんも工夫してみるといいと思う。

P.S.
このブログでは文中にリンクを張った他にも以下のような関連する記事がある。興味のある方は参照してほしい。

■カテゴリ

■水彩画の道具および基礎編


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6件のコメント

[…]  パターンとしては二つある。水で湿らせたぼかし用の筆を使う場合と乾いた筆を使う場合がある。 水で湿らせたぼかし用の筆を使うテクニックはある程度乾いた下地に使う。例えば森を描くとしよう。 まず明るい部分に暗い樹木の外形を描く。その形はシャープに出したい。しかし内側はぼかして他の色を混ぜたい。 そんな時は外形を描いた筆とは別な筆で、絵具が乾かないうちに、穂先に絵具をつけていない、水だけで湿らせた筆で内側をなぞるのだ。 すると外形はシャープなラインを保ったまま内側はぼかすことができる。次にぼかした内側にさらに濃い絵具で次の樹形を描き入れ、さらにその内側を先程のぼかし用の筆でなぞるのだ。 こうしてはっきりとした樹形を残しつつ、こんもりとした、ぼかしの効いた樹木のグラデーションが描けるというわけだ。 ぼかし用の筆は筆跡が残らない、平筆がいいだろう。ぼかすだけなのであまり高価な筆は勿体無い。かと言ってナイロン筆では柔らかなぼかしができない。私は別の記事で書いた(詳細はこちら→)百円均一の店で買った馬毛の平筆を使用している。 もう一つ気をつけないといけないのは先に書いたように「ある程度」乾いた水彩紙に使うということだ。 湿らせたままだと最初の筆を置いた瞬間に、滲んでしまいシャープな線が表現できない。かと言って乾きすぎるとぼかしの筆跡が残ってしまう。 つまりこのテクニックを広い面積でしようとすると、乾く前に処理を終えなければならないのでとても忙しいことになる。私は右手に絵筆を、左手にぼかし用の筆を握り、頻繁に持ち替え、描いている。 次に乾いたぼかし用の筆を使う場合。例えば広い草原を塗るとしよう。 まず湿った水彩紙にたっぷりと水を使った草原色を一気に塗る。遠くの草原そのものは水分の変化だけでも味が出るが問題は近景の草だ。 一本一本草を描く人もいるだろうが、あまりに細かい草はそんな手間はかけていられない。そこで乾いた筆の出番だ。 下地の草原がある程度乾いたら、上に近景の草色を置き、乾いたぼかし用の筆で穂先を一気に跳ね上げるようにして描く。草原のぼけ具合が綺麗に出るはずだ。一度試してみるといい。 […]

[…]  いかに写生が好きでも現地で長時間立ちっぱなしで描くのは辛い。折り畳み椅子(百円均一の店で売っている)も必携だ。 夏の陽射しを受けた風景を描く事もある。「ここだ!」と画帳を広げた場所が日陰とは限らない。つばの広い帽子を被っていこう。 紅葉を描こうと勇んで出かけたものの、寒い日は指がかじかんで絵どころではなかったこともある。私はやはり百円均一の店で買った手袋の指先をハサミでカットしたスケッチ専用手袋を持っていく。(百円均一の店で買える水彩画の便利な小物についてはこちら→) […]

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