京都の秋 何処を描いたらいい?

 絵を描く人にとって春の桜と秋の紅葉はぜひとも自分の手で描いてみたいと思うのではなかろうか?春の桜については「桜を描くのはむつかしい?」や「水彩で描く風景 世界遺産姫路城」で役に立つ記事を描いたつもりなので参考にしてほしい。だから今回はもう一方の課題「秋の紅葉」について書こうと思う。それもインバウンドの観光客が聞いたら喜びそうな「京都の紅葉」だ。

「京都の紅葉を見たいのだけどお薦めはどこ?」
と長年、京都に住んでいる友人に聞いてみた。
「もちろん、東福寺!」
と即答だった。さっそく自分でも調べてみると確かに有名だ。しかもその年の「11月後半の連休がお薦め」とTV番組でも取り上げていた。
 通常、京都の寺は東山方面にあることが多いので交通手段はどうしてもバスになる。混みあうし、時間も不規則なので私は京都のバスはあまり好きではない。だが東福寺はJR奈良線で「東福寺駅」で降りて歩いて10分だという。
 これで決まりだ。しかもその日は3連休の中日で、予定も組みやすい。スケッチの準備(持っていくべきスケッチの道具についてはこちら→)も完璧だ。
 さて当日。朝起きて窓の外を見るとまさに快晴。雲一つない。最高のスケッチ日和だ。神戸から京都まではJRで1時間ほど。奈良線で一駅で「東福寺駅」に到着だ。しかし順調だったのはここまで。
 電車の扉が開いて、ホームに降りたのはいいが、なぜかホームに人があふれて動かない。改札に人が殺到しているからだろうと思い、ゆっくりと周りの人の動きにあわせる。しばらくしてやっと改札を抜けた。
 改札で手間取ったので寺まで急ごうと意気込んだが、なんと改札の外、普通の道路がその幅いっぱいに人が溢れている。当然ここも動かない。何のことは無い駅から東福寺の入口まですべてが駅のホームと同じ状態だったのだ。
結局、「歩いて10分」のはずが「人ごみに押されて1時間」となってしまった。

 東福寺の紅葉を見るには「通天橋」の上が素晴らしいと事前に調べていたので、寺の門をくぐったら、すぐその場所に向かうつもりだった。
ところがまたしても、橋を渡るための入り口前に長蛇の列。仕方がないので最後尾に並ぶ。30分以上並んだだろうか。やっと橋に到達。

 美しさに思わず、息を呑んだ。
 冒頭の写真はその一部だが、実物はその比ではない。写真のように暗くない。色あせていない。赤も黄色ももっと明るく、もっと鮮やかなのだ。
 そんなに感動したのに、実はその風景をスケッチしていない。何故か?ここまで並ぶのに疲れたからか?それもあるかもしれない。
 でも最大の原因は人だ。カメラであればこそ、人に押されない、あるいは人影の消えた一瞬の隙間を狙ってシャッターを押せるが、スケッチブックではそんな芸当はとてもできない。
 満員の地下鉄の中でスケッチブックを開いて同じ場所に1時間座り続けるようなものだ。
 というわけで、友人のアドバイスは絵には生かせなかったが、その美しさは十二分に堪能した。もし私と同じように、11月末の紅葉の時期、連休、快晴と好条件が重なった時に、東福寺に出かけようとする人は相当の覚悟がいるとアドバイスしておこう。
さらに付け加えるならば、境内にはいくつかの有名な建物があり、それらすべてに別々の入場料が必要だ。そして、それぞれ長蛇の列がついているということも報告しておこう。

 結局私がスケッチできた唯一の建物は「方丈庭園」だった。そしてこの庭園は歴史ある東福寺の中にあっては珍しい「現代の庭園」なのだ。作者は昭和のアーチスト重森三玲氏だ。特に北庭は苔で幾何学的な模様が強調されたモダンなデザインだ。
アートを志す人なら一度は見ておくことをお勧めする。

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