京都産寧坂を描くコツとは?

産寧坂に初挑戦!?

 ここはどこ?
 旅好きな人はすぐにわかるだろう。京都産寧坂、あの有名な場所である。観光のポスターにもよく使われる、魅力的な風景だと思う。
 だが実はこの場所、私は今まで描いたことが無かった。私の住む場所は神戸なのでJRの新快速を使えば1時間ちょっとで行ける。それなのに何故?

 理由は単純だ。
 観光客が多すぎてスケッチブックを広げられなかったからだ。もちろん、ひしめく観光客の頭の間からカメラを構え、写真を撮ることはできる。京都を描く多くの画家はその写真をもとに絵を描くのだという。

 だが私は、「最初のペン描きは現地で」にこだわっている。最初から写真を見て描くことは基本的にしていない。

 「現地で描く」行為は私にとってその風景を自分のものにする儀式だと言っていい。言い方を変えると、私の感動を記憶のフレームに納める行為であるというべきか。
 だからいつ行っても観光客で溢れかえるこの場所でスケッチブックを広げる気にはならなかったのだ。

 それなのにこの絵には人っ子一人いない。いや実際には3人ほど私の前を歩いていたが、長年の恨みを晴らすべく、画面からは消えていただいた。
 少々不自然ともいえる、こんな絵が描けた訳はお分かりだろう。「新型コロナ」である。緊急事態宣言が解除された一瞬の隙間を狙って出掛けたというわけだ。

産寧坂の魅力とは?

 私が産寧坂を描きたかった理由は、この町が単に観光客に人気があるからではない。最大の魅力はこの「坂道」にある。

 具体的に説明しよう。
上の写真は同じく京都の代表的な観光ゾーン、舞妓で知られる花見小路の写真である。ご覧のように水平線はカメラを構えた私の目線レベルなので写真の下方1/3ほどの位置にある。

 だから道、建物の屋根や軒、窓のラインもすべてその水平線上の消失点に向かう。統一された美しい町並みであるほど、軒の高さも皆同じなので単調な構図になる。
 しかも空の面積が大きすぎると絵としてバランスを欠くので基本的に横長の構図となる。

 ところが冒頭の絵を見てほしい。水平線は紙面の上の方にくる。しかも屋根や軒の線も道の勾配に従って消失点も変わってゆくので、絵にリズム感が出る。
 上からのぞき込む状態なので屋根と建物が視界に占める割合が大きいので縦長の構図が可能となる。
 
 普通の京の町屋とは一味違う「坂道の町」の絵が出来上がると言う訳だ。
 あなたの近くにも「坂道の町」があるかもしれない。きっと面白い絵が描けるはずだ。試してみてほしい。

P.S.
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