古都 高雄の最新アートスポットとは?

 台湾の古都、高雄を訪ねた。実に活気のある町だ。到着して驚いたのは台湾国鉄と地下鉄が同時に乗入れる高雄駅の周囲は大規模再開発中。駅の周囲はほとんどが工事現場。砂煙で空気も霞んでいるくらいだ。ちなみにこの再開発、2023年完了予定だという。

 市内の道路は広く、交通量も半端でない。ビルも斬新なものが多い。台南などではまだ残る、街中の古い建物はほとんどなくなってしまったようだ。

 海岸沿いには、ユニークな巨大建築が工事中。「海洋文化及流行音楽中心」「高雄港国際線旅客線ターミナル」の二つは特に目を惹いている。

 そして海辺を走るトラムは窓の外の景観、最新装備も最高、環境にも人にも優しい設計という触れ込みだ。

 そんな変貌著しい高雄の町を、港の古いレンガ造りの倉庫街(現在は高雄市の「指定歴史建築」)と現代アートとのコラボレーションでさらに活性化しようとしている試みがある。それが「駁ニ芸術特区」だ。
 インターネットで調べると開業は2002年高雄市まちづくりの一環として始まったようだ。今や観光客は年間数百万人を数える人気スポットになったようだ。

 広さ9haの広大な敷地に展示されている芸術ジャンルは多岐にわたるようだが、人気はやはり立体彫刻。

 それも倉庫の歴史的な背景と相反するような、いや敢えて対比させるような、ポップな、ユーモアあるコミカルな作品が多いようだ。

 この特区を支えるアーチスト達のシンボルなのだろう。スパナ、金槌を入れた安全帯を締めた人形の隣で同じポーズをとる観光客の姿が微笑ましい。

 倉庫街という場所のシンボルだろうか。コンテナを組み合わせた巨大なオブジェも目を惹きつける。

 倉庫の庇上に腰掛ける2体の人形。こちらもパンフレットに紹介されている人気オブジェだ。

 こちらの作品は東洋医学、男女それぞれの針灸のポイントをテーマにしているとか。さすが台湾。

 個人的には広場にあった金属製のオブジェが気に入った。作品の前にしゃがみ込み、円の中を覗き込むと、高雄の人気超高層ビルがすっぽりと納まる。作者は歴史ある倉庫街と現代建築を円の中で対比させる意図があったのかもしれない。

平面作品は巨大な壁画が多いようだ。

でもユニークなのがこの小便小僧の絵。タイマーなのかセンサーなのか不明だが、人が近づくと水が出る。
 おちゃめな外人男性がご覧のように水を飲む仕草をしてくれた!
 この日は1月だというのに気温は25度。しかも南国の高度のある日光は強烈。暑さに喘ぐ観光客の仕草までを予測したとすれば、これが本当の「環境」芸術。

 一方で歴史建築としての倉庫の保存状態は案外ぞんざいに見える(外から見る限りでは)。窓枠などは鉄骨で補強してあるが、建物自体の地震や台風になどに対する強度対策は不明だ。外壁のレンガの上に塗ったモルタルも所々剥げ落ちるままに放置してある。
 歴史を感じさせる仕掛けなのかもしれないが、高所部分のモルタルが剥がれて落ち、来場客に当たって、怪我をさせる可能性がある。長年建築設計に携わってきた者としてはちょっと気にかかってしまう。

 なお私が行ったのは火曜日。倉庫のうち常設展示は別だが、ショッピングの店は休みが多かった。これから訪れる人は要注意だ。行きたい店が決まっている人は事前に休日を調べておいた方がいい。

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