水筆を使用したマスキングインクの使い方とは?

 通常、水彩画では「白の絵具を使わない」。何故なら白は不透明色なので、絵具に白を混ぜた瞬間、透明感は失われるからだ(「絵具の知識 透明水彩は何故美しい?→」を参照)。

 だから白は塗り残すか、マスキングインクを使うことになる。今回はそのうち水筆を使ったマスキングインクの使い勝手を報告する。

目次

1.マスキングインクの基本
 1.1ガラス瓶入り
 1.2ペンタイプ
 1.3水筆使用タイプ

2.シュミンケホラダムのマスキングインクを試す
 2.1特徴
 2.2使い方
 2.3使い勝手

3.評価・感想

■マスキングインクの基本

 市場に出回っているマスキングインクのタイプは以下の3タイプだ(「水彩画の道具 マスキングインクって何?→」を参照)。

■ガラス瓶入り

 蓋を取り、筆に浸して描く。最初は筆で描くように滑らかで快適だが、すぐにインクの粘性が強くなり、インクの塊を水彩紙に置くイメージになり、自由な描写が出来なくなる。さらに硬化し始めたインクにつけた筆は使用後すぐに石鹸で洗うようにしてもなおかつ、すぐにダメになる。

■ペンタイプ

 瓶タイプとの一番の違いは蓋を取る必要がないこと。ペン先のキャップを外すと細いインクの線がいつでも出てくる。インクの硬化が無く、安心して使える。筆を痛めることもない。

 欠点はペン先の太さが固定されているので、イラストにはいいかもしれないが、細い、太いを使い分けたい水彩画には、やや不向きであることだ。

■水筆使用タイプ

 インクの硬化を心配することなく、かつ筆の柔らかさを活かしてインクが塗れる両方の要求をを満たす使い方である。先の「水彩画の道具 マスキングインクって何?→」では一番使い勝手がいいと報告した方法である。

 だがこの方法にもやはり欠点がある。水筆を毎回洗う必要があることと、水筆を浸す瓶のインクがやはりだんだん硬化して、水筆の水分がインクを浸した後、毛先の中で混ざりにくくなることである。

■シュミンケホラダムのマスキングインクを試す

 マスキングインクはどの画家も苦労して使っているようで、水彩画の教本、インターネットの水彩道具サイトを見ると色々な方法があり、中には矛盾する意見もあるようだ。

 私自身は少し前から、先の「水筆に水を入れ、インクの乾燥を防ぎつつ塗る」方法をとっていたが、インターネットで「シュミンケホラダム」のマスキングインクならば、水筆に直接入れて描け、内のインクが硬化することもないと言う書込みを見て、早速試してみることにした。

■特徴

 先にコストを報告しておこう。画材店により差があると思うが、両者ともAmazonで比較する。シュミンケのペンタイプは25mlで1837円、瓶タイプ20mlで1210円だ。対してミツワの瓶タイプは55mlで715円。

 同じ瓶タイプで比較して同容量当たりのコストは4.7倍。シュミンケンケのインクは相当に高価である。

 他社と比較した成分の違いは、通常のゴム成分ではなく、硬化しにくい素材を使用している、アンモニアが含まれてないということらしい。ただしいずれも私自身がメーカーに直接確認した内容ではないことをお断りしておく。

■使い方

 私が購入したのはペンタイプだ。そのまま使ってもいいが、せっかくの「硬化しにくい」性質を活かさない手はない。水筆に直接注入して使用してみることにした。

■使い勝手

 最初の使用感はとてもよい。筆の動きに沿って滑らかにインクが出てくる。これからはシュミンケかと思った。使用後、敢えて筆先の水洗いをせずキャップをしただけで保存し、二週間後再度使用した。

 最初の一筆は変わらない描き味で「これは使える!」と思ったのだが、二筆からがいけない。

 スムーズにインクが出てこず、時間が経つにつれ、筆先が乾燥して硬くなり、全くインクが出なくなった。そこでホルダー部分を強めに握ると、一気に溢れてぼとりとインクの固まりが落ちてしまった。

 そこで筆先を水につけ固まったインクを洗うと、また出るようになるが今度は水分が多すぎるのか、薄すぎて塗ったのか塗れていないのかがさっぱりわからない。

 下図は実験のために適当に塗ったサンプルだ。

 最初の水平に引いた線は筆幅で引けているが、その後の曲線状の線は固まってしまった筆を水で溶かしながら使用した線だ。

 ご覧のように右端の方がインクが塗れていないのがわかる。おそらく筆先に残った成分は水で溶けて塗れたものの、本体から流れるはずのインクは出が悪く、右半分は塗れてなかったのだろう。

■評価・感想

 残念ながら、私が期待した「水筆内のマスキングインクが硬化することなく、いつでも滑らかに水筆の線が引ける」機能は満足されていない。

 原因は、時間が経つとやはり筆の毛先のジョイント部分のインクが硬化して流れるはずの道を塞いでいるようだ。

 もちろん、毛先のユニットを毎回丹念に洗えば、いつまでもスムーズに描けるのかもしれない。

 だが通常のインクに比べコストが5倍近いことを考えると、やはり水筆には水を入れ、乾燥を防ぎながら、マスキングインクを浸して描くと言う先の方法に軍配が上がるようだ。

 ただ、シュミンケのインクの「成分が違う」ことは確かなようで、他のインクに比べ、断然剥がしやすい。指で軽く擦るだけでも剥がせる。

 ミツワのマスキングインクは専用のラバーを使わないと綺麗に剥がれない。強く擦ると紙質によっては絵そのものも痛めてしまうことさえある。

 だから現状でベストの選択は「水筆には水を入れ、シュミンケの瓶入りマスキングインクを浸して描く」だ。ちょっとコストは高いが皆さんも試してみたらいいと思う。

 もし私の評価よりもよい結果が得られる方法、コツなどあったら教えてほしい。
 マスキングインクの使い方は水彩絵具の使い方以上に難しい。私の正直な感想である。

P.S.
このブログ内の関連記事を記しておく。興味のある方は参考にしてほしい。
■「水彩画上達法!マスキングインクを使いこなす!→
■「水彩画入門 色塗りの基礎技法を覚えよう!→
■カテゴリ「絵画上達法→

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