今から水彩画を始めようとする人の最大の悩みは多分「道具」だろう。
このブログではこだわりの道具、お値打ちの道具、買ってはいけない道具などの記事を個別に書いている。今回は改めて水彩画入門編として、目的に応じた必要十分な道具を考えたい。
目次
■とにかく描いてみたい!
とにかくコストを安く、まずは自分で描いてみたいという人は、百円均一店に行けばいい。画用紙、絵具、パレット、筆洗いなど全て揃っている。筆や画用紙を何種類か買っても1000円もかからない。
■上達したいと思ったら
だが、「最初は安い道具で練習して、上達したら高い道具を買い揃えよう」などという考えは捨てた方がいい。
残念ながら、特定の道具については、プロ用と一般文具ではその性能に格段の差がある。道具の良さを知らずしてあなたの才能が開花することは永久にないと言ってもいいくらいだ。
その代表は紙、つまり水彩紙だ。まずはスケッチブックを買おう。ただし普通の画用紙のスケッチブックではなく、水彩紙のスケッチブックだ。
どんなタイプがあって、それぞれどのような特徴があって、いくらくらいするか・・・については「水彩画入門!始めに買うべき道具は?→」を参照してほしい。
やたらに高級なものを買う必要はない。予算に応じて必要十分な紙が選べるはずだ。
■人に見せて褒めてもらいたいと思ったら
紙の次に、差が出るのが「筆」だ。特に透明水彩の特徴であるウォッシュやウェット オン ウェットの技術を使おうと思うと、筆に水と絵具をたっぷり含ませた、長いストロークの筆捌きが必要だ。
つまり水の含みがよく、柔らかくかつ腰があるという性能が要求される。百円均一店のナイロン筆は腰はあるが、繊維が太いので水の含みがが少ない。同じく一部の百円均一店にある、馬毛の筆は水の含みはいいが、腰がない。その都度筆の形状を整えないといけない。
ということで、やはりプロ用の筆に軍配が上がる。筆の形状、タイプやおすすめの毛の種類、メーカーなどについては「水彩画入門!弘法は筆を選ぶ?→」を参照してほしい。
■多くの人にアートのある生活を提供したいと思ったら
紙、筆と自分の予算に合わせた「プロ用」道具を手に入れて。さあこれで完璧かというと、やはりまだ不足する。
それは「透明水彩絵具」だ。
ことさら「透明」と書いたのは、百円均一店で売っている絵具は「不透明水彩絵具」だからだ。念のため断っておくと「不透明水彩絵具」が全て「プロ用でない」と言っているわけではない。
「ガッシュ」と言う「不透明水彩絵具」は、使用顔料は「透明水彩」と全く同じで発色の美しさはプロ用である。
百円均一店で売っている「不透明水彩」は「マット水彩」と呼ばれる絵具で学童用の絵具で顔料も展色材も耐久性に劣る。
従って、このブログの目的、トップページに書いたように多くの人に「アートのある生活」を提供しようとする人には不適だ。やはり絵具もプロ用にすべきである。
プロ用の透明水彩絵具にも値段にかなり差がある。ドイツのメーカーである「シュミンケホラダム」などは国産メーカーの2倍ほどもする。
だが日本のメーカーとその値段ほどの差はないように思える。もっと安価な製品で十分だ。こちらも「水彩画を始めた人へ!プロが選ぶ絵具とは?→」を読んでほしい。絵具の選び方を細かく書いている。
■毎日絵を描きたいと思ったら
水彩画の入門者はとりあえず、水彩紙、筆、絵具があれば絵が描ける。だが毎日絵を描きたいと思ったら、「あると便利」と思うものが色々出てくる。
私は少しずつ、気がついたものを買い足しているが、これらは逆にほとんどが百円均一店で入手できる。高価なものである必要はない。詳しくは以下の記事を参照てほしい。
高価な道具にこだわる必要はないと書いたが、「自分の個性」に合った道具はお金を出してでもこだわるべきだ。
もちろんその個性は人により千差万別だ。一概にどれにこだわるべきかは決められないが、私の経験を以下に記しておく。参考にしてほしい。
■まとめ
水彩画初心者向けの道具と言っても、安いだけではきっと満足しなくなる。初めて描く人が、いずれは人に見せて、褒めてもらえるようになり、さらに多くの人に見てもらえるようになる。
そうなれば、このブログの目的、「すべての人にアートのある生活を!」の実現に一歩近くわけだ。
あなたがどんな道具を揃えるべきか、じっくり、楽しんで考えてほしい。
P.S.
さらに広く調べたいという人は以下のカテゴリを覗いてみてほしい。
- 「絵画上達法→」
- 「ためになる美術講座→」
- 「スケッチの旅日本編→」
- 「スケッチの旅海外編→」
- 私の水彩画の実例は「加藤美稲水彩画作品集→」
- 「ここを描きたい日本の風景!→」
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